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移動性高気圧に覆われると秋晴れに

 10月になり、いよいよ秋本番を迎えましたが、まだまだ暑い日が続いています。
日本列島の秋は、春とは逆に夏の太平洋高気圧から冬のシベリア高気圧の支配に変わります。日毎に気温は下がり、日照時間も短くなり、春の桜前線の北上とは逆に、北から南へ標高の高いところから低いところに紅葉前線が移動してきます。春と同様に、大陸育ちの移動性高気圧に覆われると、さわやかな秋晴れになります。

下の天気図は、秋晴れのときの代表的な気圧配置です。

9月27日
気象庁Webサイトより
【9月27日の天気図】

このような気圧配置が、概ね 9月17日 から28日まで続き、岐阜市では、連日秋晴れに恵まれました。
一方、高山市では27日に放射冷却により6.2℃の最低気温を記録しました。

 

  春も秋と同様に、移動性高気圧に覆われ、晴天が続くことがありますが、岐阜市の5月と10月の気温を比べてみました。

  平均気温 最高気温 最低気温 湿度 昼間の時間
5月 上旬 18.0℃ 23.3℃ 13.1℃ 65% 14時間
中旬 18.5℃ 23.6℃ 13.9℃ 66%
下旬 20.2℃ 25.6℃ 15.5℃ 64%
10月 上旬 20.1℃ 24.8℃ 16.2℃ 70% 11時間30分
中旬 18.5℃ 23.6℃ 14.1℃ 67%
下旬 16.0℃ 21.2℃ 11.3℃ 66%

  気温や湿度は、5月も10月もあまり変わりませんが、気温の変化は10月の方がやや大きく、昼間の時間は10月のほうが2時間30分も短くなります。
   10月上旬に湿度が高いのは、夏の太平洋高気圧の影響が残っていると考えられます。

先日の10月2日には、岐阜市で32.2℃の最高気温を観測し、10月としての岐阜市での過去最高気温の記録を更新しました。また、高山市でも10月7日に30.2℃を観測し、観測史上最も遅い真夏日(30℃以上)となりました。このように上旬はまだ夏のなごりが気温に現れることがあります。

  しかし、下旬に向かって気温はどんどん下がり、標高の高いところから初霜の観測や紅葉の便りが聞かれ、飛騨地方では一気に秋が深まってきます。例年なら10月上中旬には、新穂高ロープーウェイ、白山スーパー林道、せせらぎ街道などで紅葉が始まります。見にいきたいものですが、今年はどんな紅葉になるでしょうか?


天高く馬肥ゆる秋

  春の白く霞がかった空に対し、秋は、まさにこの言葉のとおり空気が澄みわたり、空が高く感じられます。その理由は、秋には夏の湿気の多い空気から大陸育ちの乾燥した空気に覆われること、また、植物が十分に生育していない春に比べ、秋には植物により地表が覆われ、ほこりなどが舞い上がりにくいためと考えられます。

  その澄み渡った高い空に、秋を代表する美しい「うろこ雲(巻積雲)」が現れ、その姿に目を見張ることがあります。この雲は氷の粒でできており、上空5~12km付近のところにあり、湿った空気層の中で緩やかな上下方向の気流の運動(対流)によりできます。


巻積雲
うろこ雲(巻積雲)
9月30日撮影

  また、「秋の日はつるべ落とし」という言葉があります。
  秋になると、どんどん日没が早くなり、この10月の岐阜市の日没時刻は、1日が17時37分、31日が16時59分です。1ヶ月の間に約40分も早くなり、1週間に換算すると約10分程度も早くなります。

   夕暮れが早まり、夜長の季節には「読書の秋」がぴったりです。しかし、秋はなんといっても「食欲の秋」。熱燗が恋しくなる季節です。
でも「天高く○○肥える秋」とならないよう、少しは「スポーツの秋」も・・・・・

皆さんは、どんな秋を楽しまれますか?