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南岸低気圧から冬型へ


2015年の天候の総括~高温化が続く~

  2015年を振り返ってみると、おととしの夏から続くエルニーニョ現象が原因で、年平均気温は全国的に高く、特に北日本、沖縄・奄美地方でかなり高くなる一方、西日本では2年連続の冷夏となりました。全国にある154か所の気象台等のうち、13か所で年平均気温の1位の記録を更新しました。
  また、降水量は、東日本の日本海側で少なかったものの、全国的には多く、特に西日本の太平洋側では20%以上多くなりました。

  全国の年平均気温は、過去30年間(1981~2010年)の平均との差は+0.69℃高く、1898年の統計開始以来4番目に高い気温になりました。長期的には、100年あたり約1.16℃の割合で上昇しています。  

  一方、岐阜でも、年平均気温は平年に比べ0.7℃高い16.5℃と、過去4位の高い気温になりました。また、最高気温が25℃以上(夏日)の年間日数は過去最高の152日、最高気温は8月1日に観測史上8位の38.7℃、さらには8月3日の最低気温は過去3位にあたる28.3℃の高温を記録しました。

2016年の年明けも高温で始まり

  今年の元旦は、全国的に穏やかな晴天で始まりました。
岐阜でも、最高気温が平年より1.8℃高い11.4℃になり、私もこの陽気に誘われ、近くの神社に初詣に出かけ、1年の無病息災をお祈りしてきました。

 岐阜の最高気温の平年値は、1月にはいると10℃、10日を過ぎると9℃を下回るようになります。しかし、今年は18日までに10℃を下回ったのは17日の1日のみで、4日には3月下旬並みの15.6℃を観測するなど、12月から引き続き高温の状態が続きました。このため、岐阜の初雪は過去2番目に遅い1月15日(平年に32日遅れ)に観測されました。

  このような状況の中で、県内の降雪量は下表のように記録的に少なくなっています。

1月18日現在の積雪深さ、累積降雪量
  積雪深さ(cm) 累積降雪量(cm) 平年比(%)
白川 13 (91) 119 (432) 28
高山 2 (20) 9 (51) 18
関ヶ原 0 (7) 0 (72) 0
岐阜 0 (1) 0 (24) 0
(  )平年値  青:平年値より少ない  

  このため、下の写真のように、県下のスキー場でも積雪がなく、人工降雪機のあるスキー場の一部でのみ滑走可能な状況でした。


郡上市ひるがの高原からダイナランドを望む
(1月13日撮影)

南岸低気圧型から冬型(西高東低)へ

  一転して、1月18日には日本の南岸を低気圧が進み、東日本の広範囲で大雪が降り、東京では雪により通勤時には大混乱が発生しました。この雪は、いわゆる「南岸低気圧による雪」で、本コラム11号で紹介したように、太平洋側の地域に大雪を降らせることがありますが、今回は東海地方では寒気が入っておらず、雨になりました。

  この時期は、北からの寒気のため、低気圧は日本のはるか南を通過するのが一般的ですが、今回は春先によく見られる日本の南岸を通過しました。これも、平年に比べ寒気の流入が弱いことが影響していると思われます。


地上天気図 1月18日9時 

  この低気圧は、その後の19日には日本の東海上で急速に発達し、21日にかけて日本付近は強い西高東低(西にシベリア高気圧、東に発達した低気圧)の冬型の気圧配置になりました。特に19~20日にかけては全国的に荒れた天気になり、暴風雪や大雪より列車の運休、高速道路の通行止めなどにより各地で交通機能がマヒしました。
  なお、1月20日朝時点で、19都道府県で暴風雪警報をはじめ各種警報が発表されていました。


気象警報発表状況(1月20日7時10分時点)

 


地上天気図(1月19日15時)
地上天気図(1月20日6時)
気象庁Webサイトより  (注)風向を→で示した

  県下でも飛騨地方に大雪警報、美濃地方には大雪注意報が発令されました。飛騨地方では19日の夕方から、また岐阜や関ケ原の美濃地方では20日明け方から雪が降り始め、積雪深は白川村で68cm、高山で34cm、岐阜でも9cmを記録しました。また、20日の岐阜市の最低気温は、今季最低の-1.4℃(今季5度目の氷点下)を記録するなど、やっと冬本番を実感しました。

  高度約1.5km以下の下層の風は地形条件にもよりますが、一般的に等圧線に対して30度前後の角度で吹くと言われています。上の二つの天気図の等圧線の方向は、19日は北西から南東方向、20日は南北方向に変わり、風向きが西寄りから北寄りに変わってきました。このため、日本海で発生した雪雲が飛騨地方に流れていたものが、20日には北寄りの風に乗って美濃地方まで運ばれ雪を降らせました。 

  今回の低気圧は、「南岸低気圧による雪と、西高東低による寒気の流入による雪」の二通りの降雪をもたらしました。

  気象庁の21日発表の1か月予報では、「東海地方は2月に入ると、晴れる日は少ないものの、気温は平年並みか、やや高い」と予想されています。もう春がそこまで来ているようです。


【一口コラム】
シベリア高気圧のできる理由

  シベリアや中国東北部の冬季は気温が非常に低く、マイナス30℃以下になります。空気の重さは温度に比例するため、温度が低いと重くなり、沈降するように上空から空気がどんどん降りてきてきます。このため、地上付近の空気が圧縮されて、気圧が高くなり高気圧ができます。