2月も依然高温
前回のコラム(No.82)で、「今年に入り岐阜の1月20日までの日平均気温は平年を一度も下回らず、この間の平均気温は平年を2.3℃上回っていた」と報告しました。その後、1月末まで同様に平年を下回らず、29日には最高気温が観測史上6位にあたる17.3℃を観測しました。
この結果、1月の平均気温は平年を3.2℃上回る3月上旬並みの7.6℃になり、1月の過去最高を記録しました。
2月に入ると本州付近にも大陸からの寒気が入り、岐阜でもようやく冬らしい天気になりました。しかし、20日までの日平均気温が平年を下回ったのは5日間のみ、2月13日には4月上旬並みの12℃を観測するなど、この間の平均気温は平年より1.7℃高い6.4℃で依然高い状態が続いています。
また、2月20日までの全国の累積降雪量で平年を越えた観測点はほとんどなく、東北地方から中国地方にかけては平年の40%を下回る地点が多く見られます。。
岐阜では、2月10日に観測史上最も遅い初雪(平年比62日遅れ)を観測、18日には初の積雪1㎝を観測したものの、20日までの雪日数(雪が降った日数)は3日、累積降雪量も過去最も少ない1㎝で平年の2%しかありません。高山でも雪日数は52日、累積降雪量は平年の12%の44㎝しかなく、ともに観測史上最も少なくなっています。極めて異常な状況です。
地方気象台は目視から自動観測へ
近年、気象レーダーや気象衛星等による観測技術が進展しています。併せて防災業務の強化のため、2月3日から岐阜地方気象台をはじめ多くの気象台(主要な気象台を除く)では、今まで職員が目視観測していた天気や気象現象を自動観測に切り替えました。
このことにより、今まで発表していた「快晴、薄曇り、あられ、ひょう、竜巻、黄砂、雷鳴」などの観測はなくなり、快晴は晴れ、薄曇りは曇りとして発表されます。また、初雪は機械で、初霜、初氷は従来通り目視で観測します。
気象庁では、全天(空全体)を10分割し目視により、雲が1割以下の場合は快晴、2~8割までは晴れ、9割以上で雨が降っていない場合を曇りとしています。岐阜地方気象台など自動観測に移行した気象台では、気象衛星観測による雲の有無の推定情報(高分解能雲情報)や日照時間から、晴れ、曇りを判別します。
なお、夜間など日照のない時間は、気象衛星観測情報のみを利用します。
雨・雪の判別は、感雨器により降水を観測した時の気温、湿度から推定します。なお、気温、湿度が欠測の場合は判別されません。
今月の写真
2月10日に岐阜市でようやく初雪が降り、気象台の観測では10時頃から雪が降り始め、昼過ぎにはみぞれに変わり、14時頃に雨になりました。
15時前に撮影した下の写真を見ると、金華山の中腹より上は雪化粧しており、地上付近は雨、上空は雪だったことがよくわかります。
一口コラム
感雨器とは
円筒の上部には、電線が貼り付けてあり、雨や雪が降ってくると電気が流れ降水を感知し、降り始めから降り終わりまで観測します。
なお、降水量は感雨器では測定できず、雨量計により観測します。