1月24日から25日にかけてテイコクのある岐阜市でも雪が積もり、このような積雪となりました。
雪に慣れていない平地部では、少しの積雪でも冬の一大事です。
24日午後は風速10m/s超えの風が吹いていて、そこに雪が降り始め、白い風となり、視界が見えないほどになりました。夕方、気温が下がってくると積もり始め、岐阜アメダスでは6cmを記録しました。
そして、朝は一面雪景色で、白金の夜明けならぬ、白銀の夜明けとなりました。路面凍結などの影響で公共交通機関にも影響が出ました。
また、この日は日本列島全体が冷え込み、記録的な寒さとなった場所もありました。この数日前には東京で20cm超えの大雪となるなど、強い寒気が入り込んでいました。
天気図を見ると典型的な西高東低の冬型です。
さて、私が寒気の強さを見るものの一つに、上空の気温を見るというものがあります。
一般的に…
上空5000m(500hPa)-30℃→雪、-36℃→大雪
上空1500m(850hPa)0℃→山地で雪、-6℃→平地で雪
が目安と言われています。(地域差はありますが…)
100m高度上昇で-0.65℃(標準大気と仮定)すると1500mで-6℃の場合、
-6℃+0.65×15=3.75℃となり、雨か雪かの境目の気温となります。
日照や地形の特性や湿度等で気温が変わるため、あくまで目安となっています。
上空の状況を見るために、下層、中層、上層の天気図があります。これも気象庁サイトで提供されてます。
では、今回はどうだったかというと…
図3は上空5000m付近(500hPa)の天気図です。(UTC(世界標準時)+9時間が日本時間です)
赤点がテイコクのある岐阜の位置です。
まず、雪の目安-30℃(緑線)は東日本~北日本にかかっていて、大雪の目安-36℃(紫線)は北日本にかかっていました。5000m付近ではそれほど雪になるような気温ではなさそうでした。
次に、図4の上空1500m付近(850hPa)の天気図を見てみます。
山地で雪の目安の-0℃(黄線)は日本の南の海上付近にあり、さらに平地で雪の目安-6℃(ピンク線)も日本全体を覆っていて、雪が降ることは十分に考えられるほどの強さの寒気であることがわかります。
今回はさらに、-12℃(青線)という強烈な寒気が入っていたことも読み取れます。
このような目安を認識しながら、上空の気温にも目を向けてみてはいかがでしょうか?
まだまだ続く寒さに耐えながら、緑溢れる春の新しい青空を心待ちにしたいと思います。
ジオスペースセンター 応用計測部
気象予報士 稲生 秋利