空梅雨でスタート
東海地方は6月7日に梅雨入り
東海地方の今年の梅雨入りは、平年並み(平年値6月8日)の6月7日でした。中国・四国、近畿、関東甲信地方でも、同じ日に梅雨入りの発表がありました。なお、気象台では、今までの天候経過と1週間先までの見通しのもとで梅雨入りを発表します。
この発表文を岐阜の観測値で検証してみると、7日は中国の華南~九州にかけて前線が停滞し、日本列島は広く雲に覆われました。岐阜でも日差しはなく、8日にかけて29㎜の降水量を観測し、発表のとおりの天気となりました。
しかし、9日以降、日本列島は移動性高気圧に覆われ晴天が続き、13日までの日照時間は平年の41.3hrを上回る55.5hr(平年比134%)と多く、降水量はゼロでした。この後も17日のように移動性高気圧におおわれる日が多く、20日までの日照時間は平年の77hrを大きく上回る128hr(平年比166%)になりました。
7日の梅雨入り以降の降水量は、わずか29.5㎜(平年比28%)でした。また、大陸の乾燥した高気圧におおわれたため湿度は低く、岐阜の16日の最小湿度は6月の記録を更新する12%と4月並みになるなど、梅雨らしくない天候でした。
全国的にも、関東甲信地方以西では平年に比べ降水量は50%以下、日照時間は130%以上になっています。特に、降水量は九州北部から近畿地方にかけて10%以下、日照時間は東海地方で200%を超しています。
以上のように、今年の梅雨入りの発表は少し早まったように思われます。
気象庁では、後日(9月頃)実際の天候経過を考慮して、期間を変更する場合があり、今年の梅雨入りが見直されるかもしれません。
6月20日までは空梅雨でしたが、一転21日には日本列島を低気圧が通過したため、太平洋側で大雨になり、岐阜県内でも大雨注意報が出され、岐阜の総降水量は77㎜、時間雨量は20.5㎜を観測しました。
6月22日気象庁発表の1ヶ月予報では、「東海地方の天候は平年より曇りや雨の日が多く、気温はやや高め、降水量は平年よりやや多い」と予想されています。
梅雨明けの7月下旬(平年は7月21日)まで大雨への警戒が必要です。
防災気象情報の改善
気象庁では、近年の雨の降り方が局所的・集中化・激甚化していることから、気象災害から身を守るため次のように防災気象情報を、より見やすくわかりやすくなるように改善しました。
① 今後予想される大雨や暴風等の危険度を色分けして時系列で表示
今までは、文章形式で情報が提供されていましたが、今後は文章に加え、雨量や風速を時間帯(3時間)ごとに色分けした図表が提供されます。
② 警報級になる可能性を発表
今までは、警報級の大雨や暴風等になる可能性が高い場合のみ発表されていましたが、今後は可能性の確度(確からしさ)を「高」「低」の2段階に分けて、可能性が高くない状況でも発表されます。
③ 危険分布(メッシュ)情報の提供
●大雨による浸水害発生の危険度分布(高~低の5段階)が1kmメッシュ単位で提供されます。
●大雨による浸水害発生の危険度分布(高~低の5段階)が1kmメッシュ単位で提供されます。
④ 大雨特別警報の改善
今まで府県予報区(*一口コラム参照)全域に発表されていた大雨特別警報を、今後は危険度をより詳細に把握し、危険度が著しく高まっていない市町村は除外して発表されます。
なお、①、②については5月17日から、③、④については7月4日から提供開始されます。
詳細については、気象庁http://www.jma.go.jp/jma/press/1704/28a/20170428johokaizen.html及びhttp://www.jma.go.jp/jma/press/1704/28a/20170428johokaizen.htmlをご覧ください。
先日、大垣市曽根城公園の花菖蒲を見に行ってきました。花菖蒲は梅雨の時期の代表的な花ですが、訪れた日は晴天で強い日差しのためか、元気がありませんでした。今度は小雨に濡れた花菖蒲を見たいものです。
一口コラム
府県予報区とは
天気予報は、各都道府県をいくつかに分けた一次細分区域単位で発表されますが、この区域のことを府県予報区といいます。また、警報や注意報は二次細分区域単位で発表されます。
一次細分区域は、気象特性、災害特性及び地理的特性により府県予報区に分割されており、岐阜県では、岐阜・西濃、中濃、東濃、飛騨南部、飛騨北部の5つに区分されています。
二次細分区域は、原則市町村ですが一部市町村を分割して設定している場合があります。岐阜県にはありません。