2017 年11 月24 日

11月16日 高山で初雪

異常天候早期警戒情報を発表

晩秋から初冬になるとシベリア地方で発生した寒気が、日本に流れ込むようになります。本コラム034で報告したように、シベリア地方の冬季の最低気温は-30℃を下回るほど低くなります。

空気の重さは温度に比例するため、気温が低いほど重くなり、沈降するように上空から空気がどんどん降り、地上付近は空気が圧縮されて、気圧が高くなり高気圧(シベリア高気圧)が発生します。

シベリア高気圧は、バイカル湖の南西付近に中心を持つ高気圧で、最盛期にはカスピ海から日本付近まで広がり、特に10月後半から2月まで強い勢力を維持し、日本に寒気を送り込みます。

11月13日に気象庁から「大雪と低温に関する異常天候早期警戒情報」が出されました。それによると、11月18日から約1週間、この時期としては強い寒気が南下するため、全国的に気温はかなり低くなり、東海地方でも気温が平年に比べて2℃以上低く、降雪量も岐阜県山間部で平年の3倍以上の大雪になる確率が高いとの情報が出されました。

さらに、11月15日には岐阜県内に「雪に関する気象情報」が出され、11月15日から16日にかけて山地を中心に雪になり、飛騨地方の山地で10㎝、美濃地方の山地で3㎝の積雪が予想されました。

11月16日高山で初雪

11月16日以降は、異常天候早期警戒情報のとおり、日本付近にこの時期としては強い寒気が流入し、17日からの5日間平均気温は、全国的に平年に比べ3℃以上低い12月中旬の気温になりました。県内でも、岐阜の7.8℃(平年比-3.5℃)をはじめ、各地で12月中旬の気温を観測しました。

地上天気図11月19日21時
気象庁Web サイトより

気象衛星赤外画像11月19日15時
気象庁Web サイトより

11月19日21時の天気図と気象衛星画像(赤外)では、西高東低の冬型の気圧配置のため、日本付近で等圧線が混み、日本海にはすじ状の雲があり、寒気が流入していることがわかります。

11月21日の最低気温は、県内23か所ある観測地点のうち10か所で氷点下になり、高山で-0.9℃、岐阜でも2.5℃を観測し、12月上旬~中旬の気温になりました。なお、高山市六厩むまやでは前日の20日には-6.5℃を観測、また、高山市街地では16日に初雪を観測しました。

伊吹山も冠雪
(岐阜市内から撮影:11月21日)

11月7日は立冬、22日は小雪

11月7日は二十四節気の立冬、暦の上では冬の始まりです。22日は小雪、北国や山地から雪の便りが届き、各地で初雪や初氷が観測される頃です。

気温が3℃以下になると、湿度にもよりますが雪が降り、氷が張り始めます。なぜ、結氷の気温は0℃ではなく3℃なのでしょうか?気温は地上1.5mで測定するため、地上付近ではもっと低くなるからです。

初氷の方が多くの観測地点で早く観測されます。結氷は気温が下がれば必ず発生しますが、降雪は雪を降らす雲がなければなりません。

初氷と初雪の時期を、内陸部の岐阜と長野、日本海沿岸の富山と金沢で調べてみると、金沢以外は初氷の方が早く観測されています。

今年の岐阜の初氷は、平年より11日早い11月21日に観測しました。さて、初雪はいつでしょうか?

岐阜市内でも紅葉(黄葉)の見頃になりました。先日、市内の小さな公園で、かえでといちょうが色づいているのを見つけました。まもなく師走、紅葉(黄葉)も見納めです。

岐阜市内の公園
(撮影日:11月20日)

一口コラム

雪の強さの基準(気象庁)

小 雪:数時間降り続いても降水量としては1mmに達しない雪
弱い雪:降雪量がおよそ1cm/hrに達しない雪
強い雪:降雪量がおよそ3cm/hrに達しない雪
大 雪:大雪注意報基準以上の雪(岐阜・西濃20cm/日、飛騨北部平地30 (山地50)cm/日。季節予報などでは数日間にわたる降雪により、社会的に大きな影響をもたらす恐れのある雪。
豪 雪:著しい災害が発生した顕著な大雪現象。
暴風雪:暴風に雪を伴うもの。

*おおむね降水量1㎜は、降雪量1cmに相当

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