今年の夏の天候は?
飛騨地方で真夏日を観測
ゴールデンウィークを過ぎてから、日本列島では気温が高い状態が続いていました。16日は全国的に高気圧におおわれ、九州から東北地方の188地点で最高気温が30℃以上の真夏日になりました。
県内ではフェーン現象も重なり、飛騨市神岡で31.3℃、白川村で30.9℃を観測するなど、飛騨地方の4地点で真夏日になりました。
なお、白川村の30.9℃は、5月としては過去最高となりました。
今年の夏を予想
2月に出された暖候期予報(6月~8月)によると、下図のように上空のチベット高気圧や太平洋高気圧は、平年より日本付近への張り出しが強く、偏西風は北寄りに流れ、日本では気温が高めになると予想されています。
東海地方では気温は高く、降水量は平年並み、また梅雨の期間の降水量も平年並みと予想されています。
昨年の秋に発生したラニーニャ現象は、5月になっても続いていますが、最新の気象庁のエルニーニョ監視速報(5月11日発表)によると、「ラニーニャ現象はこの春のうちに終わる可能性が高い」とされ、夏には収束していると思われます。
そこで、今年と同様に春のうちにラニーニャ現象が収束した、1980年以降の5つの事例の岐阜の夏の天候について調べてみました。
なお、一般的にラニーニャ現象が発生している夏は、気温が高めの場合が多いようです。
①夏について
・降水量は平年並み若しくは少ない。
・気温は1989年を除いてやや高め。なお、2000年の38.7℃は過去8位の記録。
・日照時間は有意な傾向は見られない。
②梅雨について
・梅雨入りは平年並み若しくは早い。
・期間は平年並み若しくは長い。
・梅雨明け、降水量ともに有意な傾向は見られない。
以上のことと、暖候期予報から今年の夏の天候は、「気温は平年より高く、梅雨入りは平年より早い」と予想されます。
熱中症に要注意
6月に入ると岐阜の最高気温は25℃を超え、ときには30℃を超す日も現れてきます。
さらに湿度が高く蒸し暑い日も現れ、熱中症への注意が必要になってきます。5月18日には岐阜で最高気温28.3℃を観測し、暑さ指数は25.1℃の「警戒ランク」になりました。
熱中症は、気温や湿度が高い場合や風が弱い時に起きやすく、環境省の資料によれば、暑さ指数(WBGT)が28℃を超すと熱中症患者の発生が急増します。
暑さ指数が25℃以上になると、運動や激しい作業で熱中症の危険が生じる「警戒ランク」、28℃以上になるとすべての生活活動で熱中症の危険が生ずる「要注意・危険ランク」になります。
熱中症の予防に暑さ指数を活用し対策を行ってください。
なお、詳しくは「環境省熱中症予防情報サイト(http://www.wbgt.env.go.jp/)」をご覧ください。
恵那市内で、雪をかぶったような白い木を見つけました。
調べてみるとヒトツバタゴ(なんじゃもんじゃ)、ヒトツバタゴは環境省の絶滅危惧種に指定され、岐阜県東濃地方、長野県・愛知県の木曽川流域及び対馬で自生している珍しい木です。
一口コラム
暑さ指数(WBGT)とは
暑さ指数(WBGT)は、気温だけでなく湿度や日差しを考慮したもので、Wet-Bulb Globe Temperature(湿球黒球温度)の略称です。黒球温度、湿球温度、乾球温度の3つの温度から次の式で算出します。
WBGT(℃) =0.7 × 湿球温度 + 0.2 × 黒球温度 + 0.1 × 乾球温度
○黒球温度は、ほとんど反射しない黒色の塗料で塗られた銅板の球に温度計を入れて観測。直射日光にあたった状態の球の中の温度を観測しており、弱風時のひなたの体感温度と良い相関があります。
〇湿球温度は、水で湿らせたガーゼを温度計の球部に巻いて観測。温度計の表面にある水分が蒸発した時の温度で、空気が乾燥しているほど気温(乾球温度)との差が大きくなり、汗が蒸発する時に感じる涼しさの度合いを表します。
〇乾球温度は、通常の温度計を用いてそのまま気温を観測します。