台風24号上陸、今年5個目
台風24号が上陸
-今年5個目-
9月21日にマリアナ付近で発生した台風24号は、9月30日20時頃に中心気圧950hPa、最大風速45m/sの強い勢力のまま和歌山県田辺市付近に上陸し、時速50~60㎞で紀伊半島を北東に進みました。
23時頃には愛知県北部、その後関東甲信地方から東北地方に進み、10月1日12時頃に日本の東の海上で温帯低気圧になりました。
台風が東海地方に最も接近した23時頃には、名古屋で最低気圧966.2hPa、岐阜で970.5hPaを観測しました。23時のアメダス(風向・風速)では、愛知県北部を中心とする渦が見られ、台風の中心がこの付近にあることがわかります。また、風速は台風の進行方向右側(南側)で強くなっています。
最大瞬間風速は愛知県豊橋で38.1m/s、名古屋で31.4m/s、岐阜県内では、岐阜で29.9m/s、恵那で20.6m/sを観測しました。さらに、中心から離れた東京都、神奈川県、千葉県でも強風が吹き、東京都八王子では最大瞬間風速45.6m/sを観測し、1位の記録を更新するなど、先月号(本コラム066)で報告したとおり、台風進行方向の右側で強い風が吹きました。
このため、愛知県、静岡県、関東地方の広い地域で停電が発生し、日常生活に大きな支障をきたしました。なお、岐阜県内では、幸いにも大きな災害はありませんでした。
日本海の台風で日本海側は高温に
10月6日から7日にかけて台風25号が日本海を通過し、日本列島には南からの暖かい空気が流入したため、フェーン現象により日本海側を中心に10月としては記録的な高温になりました。
下の図のように10月6日には多くの地点で10月の1位の記録を更新し、新潟県三条の36.0℃を最高に4地点で35℃以上の猛暑日、183地点で30℃以上の真夏日になりました。7日は猛暑日のところはありませんでしたが、88地点で真夏日になりました。県内でも多治見市では6日に30.6℃を観測し真夏日になりました。
なお、この台風により九州北部、さらには東北地方や北海道では強風や強い雨が降りました。
台風や発達した低気圧が日本海を通過する際には、フェーン現象により日本海側で高温になりやすく、また、乾燥した強い風が吹き、火災への注意が必要です。
今年の紅(黄)葉は?
各地の気象台では、さくらの開花日をはじめ、生物の動向で季節の移り変わりを観測する「生物気象観測」を行っており、秋にはモズの初鳴き日、かえでの紅葉日、イチョウの黄葉日の観測を行っています。
モズは秋から冬になると自分の縄張りを確保するために、侵入者に対し「キーキー」という高い鳴き声を出して威嚇します。モズの初鳴き日とは、この鳴き声を初めて観測した日のことです。
下の表は、岐阜の過去5年間の9月~11月までの旬別の日平均気温と、その年のかえでの紅葉日などの観測結果です。黄色は平年より0.5℃以上高い、青色は0.5℃以上低い気温を表しています。
かえでの紅葉日は平年とのずれは2日前後と、ほとんどありませんが、モズの初鳴き日やイチョウの黄葉日は、平年とのずれが少し見られます。モズの初鳴き日は日平均気温が22℃前後になった頃、またイチョウの黄葉日は日平均気温が10℃を下回った頃に観測される傾向が見られます。
すでに、高い山からは紅(黄)葉の便りが聞かれますが、岐阜ではいつ頃になるか楽しみです。
紅葉の前には、快晴の秋空に映えるコスモスの花が見られます。今年も羽島市市之枝のコスモス畑に行ってきました。
残念ながら曇り空でしたが、満開のコスモスが咲きのどかなひと時を過ごしてきました。
今月の写真
一口コラム
温暖化と紅葉
岐阜地方気象台の観測によると温暖化が進み、岐阜の気温は2014年時点で100年当たり1.7℃上昇しています。このため、かえでの紅葉日は観測を開始した1964年11月3日より33日遅くなっています。
なお、かえでの紅葉日の平年値の11月26日は、最近30年間(1980年~2010年)の平均で算出しています。