花粉飛散時期の気温
花粉の飛散開始時期
岐阜では3月22日にさくらが開花し、春本番を迎え外出に適した季節になってきました。一方で、この時期は気温上昇に伴いスギ花粉が飛散し始め、花粉症の人にはゆううつな季節です。今年の県内の花粉の飛散は過去3年間で最も早く、飛散量も一番多くなっています。
飛散量は、前年夏の気象条件の影響を受け、夏の気温が高く、日照時間が多く、雨が少なければ、翌春の飛散量が多くなるといわれています。飛散時期は冬の間の気温に影響を受け、気温が高いほど早く飛散が始まるといわれています。
環境省は、全国各地で花粉の飛散状況を観測し、ホームページ(花粉観測システム(愛称:はなこさん))で発表しています。県内では大垣市と郡上市の2地点で観測しており、今年は大垣市、郡上市とも2月下旬から飛散が本格的になり、2017年、2018年の3月上旬より早まっています。
岐阜の過去3年間の各月の旬ごとの日平均気温を調べてみると、1月上旬と3月中旬を除いて今年(2019年)が最も高く、今年は過去3年間で最も早い2月下旬から本格的な飛散を迎えました。
また、3年間とも累積気温(日平均気温)が300℃を超えたころから本格的に飛散しており、累積気温300℃が飛散時期の目安になるようです。
3月15日 全国的に大気が不安定に
気象庁から、3月14日から16日までに下記の気象情報が4回出され、15日にはほぼ全国で雷注意報が発令されました。15日20時の雷ナウキャストでは西日本から東日本かけて落雷が観測されています。
雷と突風及び降ひょうに関する全般気象情報 第1号
平成31年3月14日16時18分 気象庁予報部発表
(見出し)
西日本では15日明け方から16日にかけて、大気の状態が非常に不安定となる見込みです。落雷や竜巻などの激しい突風、降ひょう、急な強い雨に注意してください。
(本文)
[気圧配置など]
15日から16日にかけて、西日本の上空約5500メートルに氷点下30度以下の寒気が流れ込む見込みです。このため、西日本では大気の状態が非常に不安定となるでしょう。
[防災事項]
西日本では15日明け方から16日にかけて、落雷や竜巻などの激しい突風、急な強い雨に注意してください。発達した積乱雲が近づく兆しがある場合には、建物内に移動するなど、安全確保に努めてください。また、降ひょうのおそれがありますので、農作物や農業施設の管理にも注意してください
天気予報の中で、「上空に寒気が流れ込み、大気の状態が不安定」との言葉を聴きます。
空気は、気温により密度(重さ)が異なり、暖かい空気ほど密度が小さい(軽い)ため上昇し、冷たい空気は密度が大きい(重い)ため下降します。地上付近の空気塊が上昇した場合、上空の気温が低いほど空気塊は高い高度まで上昇します。
地上付近の気温が高く、上空5500m付近に冷たい空気があり、地上と上空の気温差が大きい場合を「大気の状態が不安定」といい、積乱雲が発生しやすくなります。
大気は100m上昇すると0.6~0.7℃の割合で気温が下がります。
この時期の気温は10℃程度で、この空気塊が高度5500mまで上昇すると、5500m×0.65℃/100m = 35℃下がり、気温は-25℃になりますが、3月15日には上空5500mの気温は-30℃の寒気の流入が予想されたため、上昇した空気はまだ5℃高く、さらに上昇し積乱雲の発生が予想されました。
このため、「雷と突風等に関する気象情報」が発表されました。
一般的に、地上と上空の気温差が40℃以上になると、大気の状態が不安定になり、落雷等に注意が必要です。
今月の写真
我が家の小さな庭でシジュウカラを見かけました。シジュウカラは春をいち早く告げ、市街地、住宅地でよく見られる鳥です。
一口コラム
気象情報とは
気象庁が発表する情報で、警報・注意報の前段として注意・警戒の呼びかけ、警報・注意報の発表中に現象の経過、予想、防災上の注意点を解説するものです。
対象となる現象の種類には、「大雨」「大雪」「暴風」「暴風雪」「高波」「低気圧」「雷」「降ひょう」「少雨」「長雨」「潮位」「強い冬型の気圧配置」「黄砂」など、現象の種類により様々あります。また、「大雨と暴風」や「暴風と高波」、「雷と降ひょう」のように組み合わせて発表することもあります。