2019 年7 月29 日

7月中旬 記録的な日照不足

梅雨入り後の天候

県内は、平年並みの6月7日に梅雨入り後、ぐずついた天気が続いており、梅雨入り後の6月中旬から7月中旬までの岐阜と高山の天候を調べてみました。

岐阜では、平年に比べ気温はやや低く、降水量は平年並み、日照時間も93%とほぼ平年並みです。しかし、7月中旬は降水量が平年の約2倍になり、このため気温が1.7℃低く、日照時間は34%しかありませんでした。最高気温は33.5℃を5月25日に観測して以来、ようやく7月23日に33.7℃を観測し、今年の最高気温を更新しました。

高山でも、平年に比べ気温は低く、降水量は119%と多くなり、日照時間は83%と少なくなっています。しかし、7月中旬は降水量が平年の26%、日照時間も24%と極端に少なくなりました。

 

 

日本各地でも同様な天候になり、7月中旬の日照時間は東北地方日本海側を除き全国的に平年を下回り、特に関東地方~中部地方にかけては40%を下回りました。

また、6月28日から7月4日にかけて九州南部で大雨が降り、総降水量は多いところでは1000㎜を超え、河川の氾濫、土砂崩れなどにより、死者2名を出す大きな災害が発生しました。

この原因は、「7月中旬の海面気圧の平年偏差図(平年との差)」に示すように、冷涼なオホーツク海高気圧の勢力が平年より強く、北海道の東に中心を持ち、東日本から西日本東部に張り出しています。

また、夏の太平洋高気圧の張り出しが弱くなっています。そのため、オホーツク海高気圧からの冷たい気流が関東地方に流入し、気温は低く日照時間も少なくなりました。

7月中旬海面気圧の平年偏差図
(注)赤色が濃いほど平年より高く、青色が濃いほど低い
気象庁Webサイトより

7月25日現在、東海地方はまだ梅雨明けしていませんが、気象庁7月25日発表の1ヶ月予報では晴れの日が多く、気温は高めと予想されています。まもなく本格的な暑い夏がやってきます。

6月は世界的に異常気象が発生

気象庁資料によると、6月は世界の15地域で異常気象が発生し、そのうち高温によるものは11地域でした。特に、ロシア、シベリアなどの北極圏で平年に比べ6℃以上高い記録的な気温を観測、インドで熱波により100人以上が死亡、中国中部~南東部で大雨により80人以上が死亡、ヨーロッパで月平均気温が平年に比べ6℃以上高い気温を観測したところがありました。

世界気象機関(WMO)では、「地球温暖化による高温や降水パターンが変化してきている」と分析しており、今後、気候変動が原因による異常気象の増加が心配です。

今月の写真

岐阜市内の岐阜善光寺で、大きな胡瓜を見つけました。

この胡瓜は、暑い夏を無病息災で過ごせるように、胡瓜に難を封じ込め祈祷を行う「胡瓜封じ」の開催を知らせるもので、皆さんの無病息災を願うところです。

岐阜善光寺の胡瓜封じ(7月16日撮影)

一口コラム

気候変動とは

気候が長期的な時間スケールで変化する現象で、要因には自然、人為的なものがあります。

自然要因では海洋の変動、太陽活動の変化があり、人為的要因には温室効果ガスの増加、森林破壊などがあります。

近年は、石油など化石燃料の大量消費により大気中の二酸化炭素濃度が増加し、地球温暖化への懸念が強まっており、人為的要因による気候変動に対する関心が高まっています。

熱波とは

気象庁では、広い範囲で4~5日以上にわたり、かなり高い気温になる現象と定義しています。なお、かなり高い気温とはウィキペディアでは、日最高気温が5℃以上高い時と解説しています。

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