2020年 記録的な暖冬でスタート
2019年岐阜の気温は過去最高
昨年2019年の日本は、全国的に気温がかなり高くなり、平均気温は平年を0.92℃上回り過去最高を更新しました。全国の153地点の気象観測所のうち岐阜をはじめ9地点で1位の記録を更新、13地点で1位のタイ記録になりました。
平均気温は変動を繰り返しながら上昇しており、その割合は100年あたり1.24℃の上昇になっています。
特に1990年代以降高温になる年が多くなっています。
岐阜の平均気温は、平年より1.2℃高い過去最高の17.0℃(平年比+1.2℃)を記録しましたが、観測史上の上位10位には2000年以降の年が8回あり、近年の気温上昇が明確になっています。なお、昨年の17.0℃は高知の平年の気温と同じでした。
世界の平均気温も平年を0.42℃上回り、過去2番目の記録になりました。特に1990年代半ば以降高温になる年が多く、1位から順に2016年、2019年、2015年、2017年、2018年とこの5年間で上位5位を占めています。
年が明けても引き続き高温。記録的な少雪
近年、温暖化の影響により地球全域で気温は高くなっていることに加え、昨年から日本付近の偏西風は平年より北を流れ、大陸の寒気が流入しにくく、年が明けても気温は高めに推移しています。
1月20日までの20日間の平均気温は、北海道の内陸部を除き全国的に平年より高く、特に太平洋側を除く東北地方以西の地域では、2℃以上高くなっています。
岐阜では、日平均気温が20日まで一度も平年を下回らず、この間の平均気温は平年を2.3℃上回っています。高山では、もっと高く3.5℃も上回っています。
このため、1月20日時点の累積降雪量は全国のほとんどの観測地点で平年を下回り、本州の日本海側では平年の40%を下回っています。特に、新潟県を除く北陸地方、東海地方以西では平年の10%を下回り、0%の地点や初雪を観測していない地点が多くあります。
県内では高山で9%、白川村で7%と極めて少なく、岐阜ではまだ初雪を観測しておらず、過去最も遅い1月16日の記録を更新中です。
2月24日までの気象庁発表の1ヶ月予報では、今後の気温は高めと予想されており、岐阜の初雪は観測されそうもなく、極めて異常な状況です。
1月8日 全国的に荒れた天気に
春先には、日本海を低気圧が発達しながら通過することがよくありますが、今年は平年より偏西風が北にあるため、1月8日に低気圧が日本海を発達しながら通過しました。このため、日本列島には南からの暖かい空気が流入し、全国的に気温が上昇するとともに、各地で暴風や強雨の荒れた天気になりました。
尾鷲の22.4℃をはじめ、北陸地方や西日本では気温が平年に比べ大幅に上昇し、72地点で1月の最高気温の記録を更新、県内でも白川村15.2℃をはじめ5地点で更新しました。
また、20都府県で暴風警報が出され、長崎県をはじめ各地で30m/sを超す最大瞬間風速を観測しました。
なお、白川村では寒冷前線の通過に伴い雪ではなく雨になり、24時間降水量81.5㎜を観測し1月の記録を更新しました。
今月の写真
先月号に引き続きハワイでの写真です。
ハワイではシャワー(一時的に強い雨が降ること)が多く、そのためよく虹が見られます。私も連日きれいな虹を見ました。
ハワイには「No Rain No Rainbow」という言葉があり、直訳は「雨が降らないと虹は出ない」です。
このことから、「悪いことが起きた後は、いいことが起きる」さらには「くよくよせずに前向きに行こう」という意味で使われています。
一口コラム
虹のでき方
虹は、太陽光が空気中の水滴により、屈折・反射して起きる現象で、虹ができるには太陽光が空気中の水滴(雨)に当たることが条件となります。
太陽の反対側(太陽を背にした方向)に現れ、水滴が大きいほど色がはっきりとみえます。
また、青色は赤色より波長が短いので屈折率が大きく(曲がりやすい)、虹の内側(下側)は青色、外側(上側)は赤色になります。