お天気コラム、始めます
「がんさんのお天気コラム」を引き継ぎ、新たに「気象予報士稲生君の『お天気はウソつかない』」を始めさせていただきます入社6年目 稲生秋利(いのうあきとし)と申します。 前任のがんさんが退職した今となっては、私がテイコクで唯一の「気象予報士」です。これから不定期ですが、お天気にまつわるコラムを書いていこうと思います。
第1回目は気象予報士試験についての話題をお話しします。気象予報士になるにはもちろん試験に合格する必要があります。
入社6年目の私は今から9年前、19歳(大学1年の春)の時に試験に合格しました。高校生の頃から6回挑戦してようやく…という苦労がありました。
ちなみに、現在の最年少合格記録は11歳11ヶ月です。
~気象予報士の資格を持っている主な有名人~
天達武史(とくダネキャスター)、阿部亮平(ジャニーズ Snow Man)、石原良純(俳優)、武藤十夢(AKB48)、森田正光(筆者の尊敬する人)、矢部太郎(お笑い芸人 カラテカ)、依田司(私と同じももクロ推し!)…といったような様々な人が取得しております。
試験って難しいの?
率直に言うと、かなり難しいです。年によって上下しますが、合格率は約5%となります。
試験は年2回、直近では1月31日に開催されました。
試験地は北海道、宮城、東京、大阪、福岡、沖縄です。
試験の形式は?
午前:学科試験 ①予報業務に関する一般知識(マークシートによる選択式 15問)
②予報業務に関する専門知識(マークシートによる選択式)15問)
午後:実技試験 ③気象概況及びその変動の把握
局地的な気象の予報
台風等緊急時における対応 (記述試験)
合格基準…①、②は11/15問正解 ③は70%以上
気象予報士試験の特徴として、①、②に関しては科目合格すると、1年間免除が受けられます。また、①、②を両方合格しないと③の採点はしてもらえません。もちろん、1回の試験で全てクリアして試験合格することも可能です。
科目免除の制度を生かして試験合格した人が数多くいます。
(気象業務経歴でも科目免除を受けられます)
合格率は、科目免除制度があるにも関わらず約5%、ということから、かなりの難易度であることがわかります。
私も科目免除制度を利用してなんとか合格できました。
どんな問題が出るの?
①学科 一般知識
・気象業務に関する法律
・地球大気の構造、力学
・気象現象
・気候変動
などなど
②学科 専門知識
・気象観測
・予報(数値予報、長期、短期…)
・予報精度
などなど
③実技
・例えば、天気図などのさまざまな資料を読み取って、予想をしたり、特徴について述べたりする問題があります。
合格するためには、下図のように普段見慣れないような天気図を読み取れるようにならなければなりません。ちなみに、下図の天気図は850hPa気圧面(約1500m上空)の天気図です。寒気・暖気の流入状況や上空の風の状況を知るために使うことが多いです。(参考 テイコクHP「社員のお天気広場」)試験にはほぼ必ずと言っていいほどこういった天気図に関する問題は出題されます。
ちなみに、この時の天気は日本海に低気圧があって、低気圧の後方に強い寒気が流入していることが読み取れます。
もちろん図を読むためには、地名と位置関係を知っていなければいけません。
家にいる時間が多くなっている今だからこそ、興味がある方は気象予報士試験に挑戦してみてはいかがでしょうか?
気象庁HP:高層天気図
※問題自体は著作権の関係上、ここでは紹介しません。((一財)気象業務支援センターHPより閲覧可能)
ジオスペースセンター
空間計測部 稲生秋利