冬キャンプは万全の防寒対策を
新型コロナウィルスの流行により、キャンプや登山などアウトドアが人気を集める中、冬キャンプを計画されている方もいるのではないでしょうか。
今回は、私も視聴している『ゆるキャン△』というアニメを通して、平地と高地の寒暖差について見てみましょう。
『ゆるキャン△』は、キャンプが趣味の山梨県の女子高生の日常をゆるやかに描くアニメです。この中で、冬キャンプも展開され、山中湖でキャンプをするストーリーがあります。彼女らが住む身延(みのぶ)から意気揚々とキャンプへ出かけたものの、日が暮れて夜になると、どんどんと寒くなってきて…
そうです、彼女たちは身延(平地)と山中湖(高地)の寒暖差を考えていなかったのです。
では、実際、どのくらいの差があるのでしょうか?
山中湖近辺(山中)と身延近辺(切石)のアメダス観測値の平年値を比較してみます。
2地点を比較すると、なんと、約5℃も温度差があるのです。
一般的に空気は、高度が上昇すると気温が下がります。下層では「乾燥断熱減率」という、1℃/100mの割合で気温が下がります。しかし、ある温度になると空気中に含まれる水蒸気が水滴になります。この時の温度を露点温度といいます。水蒸気が水滴に変わる時、凝縮熱という熱を外部に放出します。露点温度に達した後は、熱を放出し続けるため、周りの空気は暖められます。露点温度に達した後の気温減率を「湿潤断熱減率」といい約0.5℃/100mで気温が下がります。外部に熱を放出している分、乾燥断熱減率よりも気温減率が低くなります。(※気象予報士試験に頻出の話題です!)
この二つの減率を合わせて、平均約0.65℃/100mで計算されることが多いです。
今回の事例の場合、2地点の標高差766m×(0.6℃/100m)=4.94℃の気温差、と実際の平年値とほぼ近い数値になりました。このことから、この2地点の気温差は標高差による要因が大きいと考えられます。
山へキャンプに行く際は、標高差による暑さや寒さを考慮しないと、アニメみたいに大変なことになりますので、皆さんもお気をつけください。
趣味の小部屋
『ゆるキャン△』とは?
前述のとおり『ゆるキャン△』は、キャンプが趣味の山梨県の女子高生のゆるやかな日常を描くアニメです。アニメは2期まで放送されており、2022年の初夏には映画も公開される予定です。また女優の福原遥さんや大原優乃さんや志田彩良さんといったキャストで、実写ドラマ化もされました。
実はこの『ゆるキャン△』、山梨県が舞台ですが、実は我々の地元、岐阜県にもゆかりがあるのです。
登場人物の名前が、「各務原なでしこ」「大垣千明」「斉藤恵那」「土岐綾乃」・・・、そうです、岐阜県の地名が入っているのです!
他にも「志摩リン」「犬山あおい」「鳥羽美波」・・・と東海地方の地名が入っている登場人物もいます。
これは、作者のあfろさんが「主人公2人(各務原なでしこ、志摩リン)の名前を長い名前と短い名前にしようと思い、以前に住んでいたことのある岐阜県とその周辺の地名がしっくりきたので、他のキャラクターも岐阜県周辺の地名でそろえることにしました」とのことです。
『ゆるキャン△』の舞台 山梨県身延町へ
先日、私はこの物語の舞台である山梨県身延町へ行ってきました。(勿論、緊急事態宣言解除後です)
まずは、山の麓にある日蓮宗の総本山である、身延山久遠寺に参拝に行きました。
その後、標高1153mの身延山に登るためにロープウェイで山頂まで行きました。(乗車記念カードが貰えたので、それ目的も兼ねて・・・(笑))
あいにくの天候でしたが、山頂からの景色は絶景でした!!ただ、風が強く、雨が降っていて寒かったです…。天気がいいと富士山や八ヶ岳連峰が見渡せるとか…。ちなみに、眼下を流れる大きな川は富士川です。
ロープウェイの駅では、くし切りだんごが販売されておりました。「苦死を切る」という意味がある縁起物とのことで、串の先を切って渡されました。(言わずもがな、美味しかったです)
ジオスペースセンター
空間計測部 稲生秋利