今年の冬の天候
今年の日本の冬(12月から2月)は暖冬、少雪になりました。
気温は2月20日時点で、北海道から東北地方では、平年並みかやや低くなっていますが、それ以外の地域では1℃程度高く、沖縄地方では1.5℃以上も高温になっています。
県内の岐阜、高山でも約1℃高くなりました。
累積降雪量も全国的に少なく、2月20日時点で平年を超えた地点は、全国の約320か所の観測地点のうち岩手県久慈の174%を最高に15地点のみです。
北陸地方や山陰地方では40%以下の地点が多く見られます。
県内では神岡の80%が最高で、高山は過去2番目に少ない平年比33%の120㎝、岐阜も過去2番目に少ない平年比16%の7㎝しかなく、極めて降雪の少ない状況になっています。
春の風
2月19日に岐阜で、平年より 5日遅く梅の開花が観測されるなど、各地から梅の便りが聞かれます。
梅といえば、菅原道真の和歌「東風(こち)吹かば、匂ひおこせよ梅の花、あるじなしとて春な忘れそ」が有名です。ここでいう東風(こち)は春の季語で、東寄りの風が吹くと寒さが緩んで春が近づいている。との意味で使われるようです。
春先になると冬のシベリア高気圧が弱まり、日本付近を低気圧と移動性高気圧が通過するようになります。冬型の気圧配置のあと、移動性高気圧に覆われ、穏やかな天気が数日の周期で現れ、三寒四温を経て本格的な春になっていきます。
低気圧は反時計回り、高気圧は時計回りに風が吹きます。このため、一般的に低気圧が日本の南を通過すると、本州は低気圧の北側に入り東風が吹き、高気圧が日本海を進むと本州は高気圧の南側に入るため東風が吹きます。
2月5日から7日にかけて、日本付近を高気圧と低気圧が続いて通過しました。2月5日は高気圧が本州を通過し、12時には中心が関東地方にあります。
2月5日の風向は、京都では未明及び夕方から夜のはじめ頃に東寄り(北東~南東)の風が観測され、岐阜では夜遅くに東寄りの風が観測されています。また、6日には日本の南岸を低気圧が通過しましたが、京都、岐阜ともに、東寄りの風が約6時間観測されました。
菅原道真が和歌を詠んだ時には、日本付近を低気圧か高気圧が通過し、東風が吹いたのではないでしょうか。なお、低気圧や高気圧が日本付近を通過する春から夏にかけては、東寄りの風が吹きやすいようです。
今月の写真
まもなく3月、各地でひな祭りのイベントが開かれていますが、郡上市八幡町では城下町の商店や施設などで、4月上旬までお雛さまが展示されています。
先日、八幡町を訪れた際に、郡上踊りをするお雛さまを見つけました。
一口コラム
時刻に関する気象用語
気象庁が発表する天気予報では、1日の時刻について次の用語が用いられています。