梅雨明け以降、連日猛暑日
全国的に7月下旬以降高温になり、8月1日~20日の平均気温は、東北地方から近畿地方にかけて平年に比べ、2℃以上高くなっています。
特に、8月14日~15日は、台風10号による南からの暖かい気流が山を越えるフェーン現象により、新潟県、山形県、石川県の一部で40℃を超す気温を観測しました。
岐阜県内でも、7月28日の梅雨明け以降、連日猛暑に見舞われ、岐阜で8月2日に今年最高の38.6℃を観測し、梅雨明け以降8月14日まで連続18日間猛暑日となり、熱帯夜も8月20日まで続きました。
また、高山では8月13日の最高気温は37.7℃になり、過去1位の記録を更新しました。
年々夏は暑くなっている
私は1950年代生まれですが、年齢を重ねたこともあり、近年の夏の暑さは身に応えます。子供の頃はわんぱくだったのか、炎天下でよく遊びました。また、2000年代を迎える頃までは、今ほど厳しい暑さは無かったように思います。
そこで、1960年から10年毎の岐阜の8月の気温、湿度、水蒸気量、不快指数を、さらに7月~9月までの岐阜の猛暑日日数を調べました。
なお、水蒸気量と不快指数は日平均気温と湿度から算出しました。
気温は平均気温、最高気温とも年々増加し、2010年代は1960年代に比べ1.4℃上昇しています。
気温が高いほど空気中には水蒸気を多く含むことができるため、水蒸気量は増加していると予想していましたが、結果は若干の増減はあるもののほぼ横ばいでした。
また、湿度も上昇していると予想していましたが、結果は1960年代より低下、不快指数は気温が上昇したため若干上昇しています。
人間は汗をかきますが、皮膚から汗が蒸発する際に気化熱として熱を放出して、体温調節をします。温度がそれほど高くなくても、湿度が高いと汗が蒸発しにくく、体内に熱がこもり蒸し暑く感じます。
不快指数は、気温と湿度から求められ、ほとんどの人が不快に感じる不快指数80は、気温30℃であれば湿度65%、気温35℃であれば湿度は30%になります。
岐阜の今年8月の上旬・中旬の平均気温は30.8℃、湿度は65%、不快指数は81.8でした。最高気温を観測した8月2日14時の気温は38℃、湿度は42%で、不快指数は86.9、朝の4時でも気温29℃、湿度73%で不快指数は80.3と、8月に入り大変蒸し暑い日が続いています。
7月~9月までの猛暑日日数は、1980年代までは横ばいでしたが、それ以降急激に増加し2010年代は1960年代に比べ約3倍の17日を観測しています。なお、今年は8月25日までにすでに20日観測しています。
やはり、1960年代に比べ夏の気温は年々上昇しており、今後益々暑さが厳しくなると予想されます。
今月の写真
先日、関市武儀町地内の県道を走行中、案山子の一団を見つけました。
今年の5月に元号が変わりましたが、武儀町には前の元号の「平成」と同じ地名(読み方は「へなり」)があることから、平成時代への感謝を込めた「ありがとう平成、よろしく令和」と書かれた幟が掲げられていました。
一口コラム
不快指数とは
気温や湿度が高い時に人が感じる「蒸し暑さ」(不快感)を表す指数(DI)です。
DI=0.81T+0.01U(0.99T-14.3)+46.3
T:気温(℃) U:湿度(%)
不快指数が、60~70は快適、75以上は半数以上が不快、80以上は全員が不快とされます。なお、不快指数には風が考慮されていないため室外には不向きです。
水蒸気量の算出方法
空気が含むことができる水蒸気量は気温により異なり、その気温で限界まで含まれたものを飽和水蒸気量といいます。
また、湿度とは空気の湿り具合のことで、その気温での飽和水蒸気量に対する、その空気の水蒸気量の割合のことです。
湿度(%)=その空気の水蒸気量÷その気温での飽和水蒸気量×100
∴ 水蒸気量=その気温での飽和水蒸気量×湿度(%)÷100
例えば、気温30℃(飽和水蒸気量は30.4g/㎥)、湿度50%であれば、水蒸気量は、30.4g/㎥×0.5=15.2g/㎥となります。