がんさんのお天気コラムコラム 2019年11月28日

秋の訪れが遅くなっている

2019 年11 月28 日

秋の気温は過去最高を更新?

11月に入ると県内では山から雪の便りが聞かれ、中旬には里でも紅葉の便りが聞かれ始めました。また、岐阜では11月21日に初氷を観測するなど、まもなく季節は冬です。しかし、今年の秋(9月~11月)を振り返ってみると、高温傾向が続いています。

9月は、太平洋高気圧の日本付近への張り出しが強く、暖かい空気に覆われ、全国的に気温が高くなりました。岐阜の日平均気温は平年より2.6℃高くなるなど、東海地方を中心に14地点で過去最高を更新しました。

10月に入っても、引き続き日本付近は高気圧に覆われる日が多く、暖かい空気により全国的に気温が高くなり、特に関東、東海、近畿、四国地方では、かなり高くなりました。岐阜、高山をはじめ43地点で過去最高を更新しました。高山では平年に比べ2.6℃、岐阜でも2.2℃高くなりました。

 

気象庁Webサイトより

さらに、11月中旬(11月20日)までの岐阜の日平均気温も、平年に比べ1.2℃高くなっています。

現時点では、11月の気温の過去最高を記録した2003年の11月上・中旬より1.1℃低いものの、気象庁発表の1ヶ月予報では、11月下旬の気温は平年より高いと予想されており、今年の秋の岐阜の気温は過去最高を記録する可能性があります。

秋の訪れが遅くなった

岐阜では今年も10月に入り真夏日(最高気温30℃以上)がありました。秋になっても気温が高く、いつまでも半袖で十分なため、衣替えも遅くなるなど、秋の気配をなかなか感じられなくなりました。気象庁が観測しているカエデも、岐阜では50年前に比べ約1ヶ月遅くなっています。

本当に秋の訪れが遅くなっているのか、1950年代から10年ごとの9月から11月中旬までの旬(10日間)ごとに、日平均気温と日最高気温を調べてみました。

【日平均気温】

・2000年代以降は、11月中旬まで高温が目立ち、年代が古いほど気温は低くなっています。

・2010年代の9月中旬~10月下旬の気温は、それぞれ一つ前の旬(9月上旬~10月中旬)の1980年代以前の気温と同程度です。なお、11月中旬以降はこの傾向が見られません。

 

*気象庁資料から作成

【日最高気温】

・2000年代以降は、10月中旬まで高温が目立ち、年代が古いほど気温は低くなっています。なお、10月下旬以降は顕著ではありません。

・2010年代の9月中旬~10月中旬の気温は、それぞれ一つ前の旬(9月上旬~10月上旬)の1980年代以前の気温と同程度です。なお、10月下旬以降はこの傾向は見られません。

・9月、10月とも最高気温の歴代10位までのうち7回を2000年代以降に観測しています。

 

*気象庁資料から作成

以上のように、近年の秋の訪れは1980年代以前より、10日ほど遅れていることがわかりました。一方で、11月にはこの傾向が見られないことから、夏が長くなり秋は短くなっているようです。

今月の写真

ラグビーワールドカップで、外国出身選手がいる日本代表が「ワンチーム」を掲げて初のベスト8入りをし、大きな話題になりましたが、夏をイメージするひまわりと秋の花のコスモスが、「ワンチーム」になり、一つの畑の中で咲いている景色に美濃市内で出会いました。

ワンチームのひまわりとコスモス(美濃市地内で 11月中旬撮影)

一口コラム

10月の世界の気温は?

10月の世界の平均気温は、ヨーロッパ北部、北米西部、南米西部を除いた地域では日本と同様に平年より高く、特に北極圏やヨーロッパから中近東にかけては3℃以上高い地域が見られました。

10月の気温平均気温偏差図
*気象庁Webより

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