2018 年3 月27 日

今冬の天候を振り返る

今冬の天候を振り返って

今年の冬(12月~2月)は、日本付近に強い寒気がしばしば流入し、気温は平年に比べ北海道を除いて全国的に低くなりました。

特に西日本は平年に比べ1.2℃も低く、32年ぶりの低温になり、県内でも岐阜で平年に比べ0.9℃、高山では0.7℃低くなるなど寒い冬になりました。

降雪量は、日本海側を中心に平年に比べ多くなりました。本コラム057~059で報告したように、強い冬型の気圧配置により、12月中・下旬には日本海側で大雪、1月中旬には北陸地方を中心に大雪に見舞われ、新潟で8年ぶりに積雪が80㎝に達しました。

また、1月下旬には南岸低気圧により、東京で積雪が4年ぶりに20㎝超え、さらに、2月上・中旬にも強い冬型の気圧配置により、福井で積雪が37年ぶりに140㎝を超えるなど、北陸地方を中心に大雪になりました。

このため、全国の積雪観測地点321地点のうち、17地点で過去の最深積雪を更新しました。

県内の白川村では1月10日に日降雪量が40㎝、最深積雪は2月13日に観測史上9位となる236㎝でしたが、累積降雪量は922㎝(平年比95%)とほぼ平年並みでした。

なお、岐阜では累積降雪量が平年の50%にあたる22㎝しかありませんでした。

こうした低温や大雪をもたらした原因は、本コラム059で報告したように、昨年の秋から継続しているラニーニャ現象の影響により、ジェット気流が日本付近で南に蛇行し、日本付近にシベリア大陸から寒気が流入しやすくなったためと考えられます。

3月1日 天気は大荒れ

3月1日は、前線を伴った低気圧が日本海を発達しながら東北地方に進んだため、日本付近は等圧線が混み各地で強風が吹き、特に東日本や日本海側では暴風警報が発表されました。また、前線通過の際には短時間強雨に見舞われました。

最大風速は、長野県、新潟県の5地点で過去の年間記録を更新、39都道府県で3月の記録を更新するなど大荒れの天気になりました。

県内でも、白川村をはじめ8地点で最大瞬間風速の3月の記録を更新、また下呂市金山では3月の記録を更新する時間雨量22㎜を観測しました。

その後日本列島は高気圧におおわれる日が多くなり、全国的に気温が上昇し、岐阜でも最高気温は平年を大きく上回り、2月までの厳しい寒さは一段落しました。岐阜の14日、15日の最高気温は20℃を超え、特に14日は5月上旬並みの22.6℃を観測しました。

季節外れの高温の影響により岐阜では、3月19日に過去5番目に早いさくらの開花が観測され、一気に春に突入しました。しかし、4月はまだ寒気と暖気のせめぎあいが続くため、春の嵐に注意が必要です。

 

先日、池田町の杭瀬川でオシドリの群れを見ましたが、この光景は昨年の11月頃から見られました。

オシドリは、一般的には漂鳥ですが冬になると海外から渡来してくることもあるようです。漂鳥とは季節ごとに短距離の移動や、山地と低地を往復移動する鳥のことで、春本番になり、この群れもどこかに飛び立っていくのでしょうか。

川面を遊ぶオシドリ(池田町地内杭瀬川 3月12日撮影)

一口コラム

さくらの開花日と満開日

さくらの開花日とは、標本木で5~6輪以上花が開いた状態になった最初の日、満開日とは標本木で約80%以上のつぼみが開いた状態になった最初の日で、各地域の気象台職員が標本木を観察し、開花日を出しています。

 「そめいよしの」を標本木としていますが、「そめいよしの」が生育していない沖縄・奄美地方では「ひかんざくら」、北海道の一部では「えぞやまざくら」を対象としています。

なお、岐阜の開花から満開までの平均日数は9日です。

TOP