ゲリラ豪雨を捉える
2度目の投稿となります。
ついに梅雨が明けて本格的な夏の到来です!
しかしながら、毎日のように全国でゲリラ豪雨が発生しております。
7月上旬、九州北部で記録的な大雨があり、甚大な被害をもたらしました。
(この大雨については、がんさんのお天気コラムNo.52にて書かれています)
いつ、どこでこのような大雨が降ってもおかしくありません。テイコクのある岐阜県も例外ではありませんでした。
7月12日、突然空が暗くなり、激しい雨と雷が岐阜市を襲いました。(図1)
幸いなことに、この雨では大きな災害が発生しませんでしたが、いつどこで起きてもおかしくないことを思い知らされました。
その雨をもたらす雲、雨雲を可視化したのが、天気予報で見ることがある「雨雲レーダー」です。
気象庁では、3種類のレーダー情報を発表しています。それらを紹介します。[1]
①解析雨量
全国の設置されているレーダーと地上の雨量計のデータを組み合わせて1kmメッシュごとに作成し、30分毎に更新されます。
このデータを用いて、6時間後までの降水量分布を予測するのが「降水短時間予報」です。 降水の強弱の効果も予測しています。
長所:長時間先の降水を把握することができる
短所:局地的な降水は捉えにくい、予報時間が先になるほど精度低下
②降水ナウキャスト
解析雨量の時と手法はほぼ同じです。降水域の移動がその先も変化しないと仮定して、降水の分布の移動を予測します。1kmメッシュで5分ごとに更新し、60分先まで予測します。
ナウキャストには、雷ナウキャスト、竜巻ナウキャストもあり、これらも合わせて確認すると良いです。
長所:5分ごとに更新されるので、最新の状態がわかる。短時間の予測を見ることができる。
短所:1km四方なので、細かい雨雲を捉えられないこともある。
③高解像度降水ナウキャスト
気象ドップラーレーダーと雨量計データ、高層観測データ、国交省のXバンドレーダー(後述)を利用して250mメッシュで30分後まで予報します。
長所:細かく捉えられるため、より詳しく雨量が表現できる。
短所:長時間の予想は発表されていない。
また、気象庁とは別に、国土交通省サイトでもレーダーデータを公開しています。[2]
④X RAIN
Xバンドレーダーは、国土交通省が設置したXバンドMPレーダーを利用しています。 250mメッシュで1分毎に更新をしています。地図上に表示されるので、降水の細かい位置まで把握することができます。
長所:ほぼリアルタイムに雨の分布がわかる、急激な発達を捉えられる。
短所:強い雨が降っていると、その後方のエリアの観測ができなくなることがある。
レーダーデータに頼るのもいいですが、黒い雲、雷鳴、稲光、気温低下、風が吹いてきた、等の現象が現れたら室内へ避難するのが最善です。
イチゴ味のかき氷を食べたり、ココナツジュースを飲んだり、勝負浴衣着て盆踊りしたりと、夏は楽しいことばかりですが、これらの情報を駆使して突然の雨に備えましょう!
長いようで短いサマータイムをぜひ満喫してください!
ジオスペースセンター 応用計測部
(気象予報士) 稲生 秋利
参考URL
[1]気象庁 http://www.jma.go.jp/jma/menu/menuknowledge.html
[2]国土交通省サイト XRAIN GIS版 http://www.river.go.jp/kawabou/ipTopGaikyo.do