乗鞍岳の夏
ここ10年間ほど、8月初旬に乗鞍岳畳平周辺(標高2,702m)の植生変化を把握するための調査を行っています。此処へは、乗鞍スカイラインをシャトルバス、タクシーなどを使って行くことができます。もちろん、歩いてもOKです。
畳平周辺(右側:駐車場、左側:お花畑) |
畳平のバスターミナル横から階段を下って行くと、高山植物のお花畑を一周できる木道があります。
見頃は7月中旬~8月上旬で、ミヤマキンバイ、ハクサンイチゲ、クロユリ、トウヤクリンドウ等の花を見ることができます。お花畑以外の場所では、ハイマツの根元や岩陰などにもよく咲いています。
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ミヤマキンバイ
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また、その周辺で運が良ければ天然記念物ライチョウに会うことがあります。
親子で仲良く歩いていることもあります。私も数回行った中で1度見ることができました。
ライチョウ(見張り中)
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この周辺の平均気温は12℃前後で、夏でも20℃を越えるような日はほとんどありません。一般に標高が100m上がる毎に気温は約0.6℃下がりますので、乗鞍岳の気温は下界より12℃低いと考えられます。早朝や風が強い時は、手がかじかむほどです。気圧や酸素濃度も下界の2/3程度で、ポテトチップスの袋がパンパンに膨らみ、水も約80℃で沸騰、走ると息切れがします。
この夏、涼しくて、自然一杯の乗鞍岳へ登られてはどうですか。ただし、そこに生息、生育している動植物には触らない、採取しない、見るだけにしましょう。また、外来生物(靴底に付いている時がありますよ・・)は持ち込まない。くれぐれもご注意願います。
(一財)自然学総合研究所 理事 村瀬 弘
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