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台風と災害への備えと対策


  2016年は「台風1号の発生の遅さ(7月3日の発生)」が1951年以降の統計上、第2位を記録し、その後トリプル台風が発生しました。そしてその内の1つが、異例の進路をたどり、台風長寿記録を46年ぶりに更新しました。

  今年発生した台風は、7月に4つ、8月に7つ、9月は30日の時点で7つ。計18の台風が発生しています。うち6つが日本列島に上陸し、観測史上初のこととなりました。

  台風の発生と日本列島への上陸には、日本の南の太平洋上で発生するモンスーン渦と言われる巨大な低気圧と、太平洋高気圧が影響しています。

  なお、海水温の上昇にともない、台風の勢力が衰えなくなったことや、今年の太平洋高気圧が東西に分かれていることから、台風の日本列島への上陸が増えたと考えられます。


写真は、気象庁Webサイトより

  次に台風による災害の備えと対策を記述します。

  日本を台風が数多く襲うのは、9月から10月にかけての秋であり、秋はまさに日本の台風シーズンと言えます。
  秋に発生する台風は、偏西風の影響をしっかり受けるので、夏に発生する台風に比べ進行スピードが速く、そして秋雨前線と連動して大雨を降らせる場合が多いのが特徴です。

  こうした台風や大雨が、近年の異常気象と相まって各地で甚大な被害をもたらしています。
台風や大雨の災害への備えや対策を考えておくことが大切です。

自分で行う災害への備え

警報などの防災気象情報を利用して、被害を未然に防いだり、軽減したりすることが可能です。テレビやラジオなどの気象情報に十分注意しましょう。台風や大雨の危険が近づいているというニュースや気象情報を見たり聞いたりしたら、災害への備えをもう一度確認しましょう。

家の外の備え

・大雨が降る前、風が強くなる前に行いましょう。
・窓や雨戸はしっかりとカギをかけ、必要に応じて補強しましょう。
・側溝や排水口は、掃除して水はけを良くしておきましょう。
・風で飛ばされそうな物は、飛ばないよう固定し、家の中へ格納しましょう。

家の中の備え

・非常用品の確認
懐中電灯、携帯用ラジオ(乾電池)、救急薬品、衣類、非常用食品、携帯ボンベ式コンロ、貴重品など
・室内からの安全対策
飛散防止フィルムなどを窓ガラスに貼ったり、万一の飛来物の飛び込みに備えてカーテンやブラインドをおろしたりしましょう。
・水の確保
断水に備えて飲料水を確保するほか、浴槽に水を張るなどして生活用水を確保しましょう。

避難場所の確認など

・学校や公民館など、避難場所として指定されている場所への避難経路を確認しておきましょう。
・避難所は、各市町村のホームページ等で確認できます(岐阜市の例を以下に示します)。
・普段から、家族で避難場所や連絡方法などを話し合っておきましょう。
・避難するときは、持ち物を最小限にして、両手が使えるようにしておきましょう。



岐阜市洪水ハザードマップ

  非常持ち出し品の用意。

以下は、非常持ち出し品の一例です。

・リュックサック
・飲料水、乾パンやクラッカー、サプリメントなど、粉ミルク、哺乳ビンなど
・救急医薬品、常備薬、マスク、紙おむつ、生理用品
・現金(小銭も)、預金通帳など、印鑑、健康保険証など、身分証明書
・下着、タオル、寝袋、雨具、軍手、靴
・ハサミ、缶切、鍋や水筒、懐中電灯、ラジオ、電池、マッチやライター、使い捨てカイロ、ティッシュ、筆記用具、ごみ袋
・防災頭巾やヘルメット

  コンサルタント本部 技術第一部
大石  明寛