テイコク

岐阜県 調査・設計・管理・測量・開発のテイコク

WWW を検索 サイト内を検索
google
HOME > 社員のお天気ひろば > モンゴルの雨はどこから来るのか

モンゴルの雨はどこから来るのか


モンゴルの雨はどこから来るのか  ~第1回~

  気温が上がり、雨の多い季節となりました。
  みなさんは、雨がどこからやって来るのか考えたことがありますか?

  海や川、あるいは地面の表面に含まれる水は、太陽からのエネルギーによって蒸発し、水蒸気になります。水蒸気は風に乗って空気中を移動し、やがて雲を作り、雨となって地上に降り注ぎます。
   水蒸気となった水が雨になるまでの時間は、地域や季節によって異なりますが、地球全体で見ると平均10日ほどかかります。つまり雨は、約10日前に地球上のどこかで蒸発した水ということになります。

  日本は周囲を海に囲まれた島国ですから、日本の雨のほとんどは海から蒸発した水で構成されていると考えられます。

では、周囲を陸地に囲まれた国ではどうでしょうか。

 モンゴルはユーラシア大陸の中央部に位置する内陸国です。

 
モンゴル人民共和国の位置

  モンゴルと言うと、広大な草原を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、平均標高は1,500mと高く、西部には山脈を有します。また、北部には森林や草原が見られますが、南部には砂漠を有するなど、非常にバラエティに富んでいます。

  緯度は北海道と同じくらい(※)で、気温は夏で最高で25~30度程度、冬は最低で-30度近くまで冷え込みます。
  年間降水量は約200~300mmで、日本の5分の1程度と乾燥しており、このうちの70~80%が夏に降ります。

集落の風景(夏)
ウランバートルの北東にある集落の風景(夏)


夏の夕方。
夏の夕方
遮る物がないため、遠くで雲が発達して雨が降っている様子が見えます。


3月のウランバートル市内
3月のウランバートル市内
川が凍結して、雪が積もっています。

  モンゴルの主な産業は牧畜業ですので、郊外はもちろん、街中でも羊や牛とすれ違います。
  夏に雨が十分に降らないと、家畜が餌を十分に食べられず、家畜が大量に餓死してしまう等の被害が出ることもあります。そのため、年毎の雨量の予測や、水資源の管理が特に重要な地域であると言えます。

ウランバートル郊外の少雨年(2010年)と多雨年(2011年)の様子の違い。


  さて、次回は、そんなモンゴルの雨がどこからやって来るのかについて報告します。

  ※首都ウランバートルは北緯47度。稚内は北緯45度。

  環境ソリューション本部 防災技術部 小池百合子