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過去と未来が錯綜する都市---ハルビン(中国)

  私の出身は、中国のハルビン市です。漢字で書くと「哈爾濱」です。実は、岐阜とハルビンは縁が深いのです。

  岐阜駅前にある繊維関係の問屋街は、戦後ハルピン街と呼ばれていました。中国のハルビンからの引揚者がここで商売を始めたからです。ハルビンは過去と未来が錯綜する街なのです。そんなことを思いながら、今回の天気ひろばで、ハルビンの「地理」、「気候」、「観光地」、「食文化」を簡単に紹介させて頂きます。


●「地理」

  ハルビンは、経度125°42'-130°10 '、緯度44°04'-46°40'に位置し、黒龍江省の省都です。そして中国東北部の政治、経済、文化の中心地でもあります。ハルビンの市街地面積は7,086平方キロメートルで、岐阜市の約35倍です。2014年の末の統計で、ハルビン市街地の人口は473万人で、岐阜市の人口の約12倍です。名古屋からハルビンまでの距離は1,400kmあり、直行便で3.5時間ほど掛かります。(図1)


図1 ハルビンから名古屋までの距離(出典:Google Map)

●「気候」

  ハルビンの四季は、はっきりしています。冬は長くて寒く、夏は短くて涼しいです。春と秋は温度が急激に変化して期間も短く、過渡期のような季節です。一年で最も暖かい月は7月で、平均気温は23.1 °Cです。また最も寒い月は1月で、平均気温は-19.8 °Cで、その差は42.9 °Cもあります。記録では今までで一番寒かった日は1985年12月6日の-37.7℃でした。(表1)

  ハルビンの気候は温帯大陸性モンスーン気候であり、年間平均降雨量は569.1mmです。6月〜9月の夏季に年間降水量の60%を占めます。また11月は積雪集中期間にあたります。最低降水量を記録する月と、最高降水量を記録する月の降水量の差は160 mmです。 そんなに雪が降らないので冬は乾燥しています。(表2)



表1 ハルビンの温度変化


表2 ハルビンの降水量
(出典:http://zh.climate-data.org/location/3488/)

●「観光地」

  冬のハルビンは、観光の季節です。毎年行われるハルビン国際氷雪祭は、内外から注目を集めています。世界で最大、最長の雪の風景が楽しめます。世界的に有名な建築や古典的な漫画の主人公が目の前に現れます。また、ヨーロッパスタイルのキャバレー、クールハルビン氷のアクロバットショー、野外公演や世界のトップのチームによる雪と氷の風景に音と映像が融合され、夢のような風景が奇跡のように目の前に現れます。(写真1、2、3)

  また、祭りの期間中に開催される冬季水泳競技は、アイスホッケー、雪サッカー、アルペンスキーなどがあります。氷の彫刻コンテスト、国際氷の彫刻コンテスト、アイススケートレース、詩の祭り、雪写真展、氷と雪の映画祭、氷上結婚式など様々な催しがあります。


写真1 おとぎの国のような2015年のハルビン国際雪氷祭
(出典:www.visitourchina.com/blog/detail-306.html)


写真2 幻想的な2016年のハルビン国際雪氷祭
(出典:http://learning.sohu.com/20160106/n433631958.shtml)


写真3 国際雪の彫刻コンテスト作品
(出典: www.17u1u.com/chinajingdian/5605579585.html)
 

 ●「食文化」

  ハルビンでは、本格的な中国東北料理を味わうことができます。ハルビン料理の特徴は種類が多い、サイズが大きい、色が明るい、味が塩辛いです。私の好きなハルビン料理は写真4のとおりです。羊肉串、火鍋、鯉の煮物、沙律(サラダ)です。当然、食べる時には、ハルビンビールをお勧めします。
  ハルビンビール片手に、乾杯(カンペイ)!(写真4、5)






写真4 ハルビン料理
(出典:左上http://toutiao.com/i4974799630/;
右上http://hrb.58.com/canyinjia/20512218972034x.shtml;
左下www.dianliwenmi.com/postimg_11681864.html;
右下www.wanhuajing.com/d521764;)






写真5 ハルビンビール祭
(出典:左上www.vtibet.com/en/news;
右上www.news.cn;
左下www.xialv.com/news/2171;
右下www.35335.com/post/2089.html)

  以上、簡単な紹介なので故郷ハルビンを十分に説明できませんが、日本の文化とぜんぜん違うハルビンです。ハルビンは、20世紀初頭にロシアの東清鉄道開通に伴い開発された都市です。そして、日本の過去と未来が錯綜しているところです。日本の過去を知り未来を知るためにも、人生で一度は皆さんも行くべき都市だと思います。もし行きたい人がいましたら、声を掛けてくださいね。ハルビンへ招待させて頂きます。

  ジオスペースセンター 応用計測部
鄭 立成