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5月5日は立夏。暦では初夏?

  県内の桜は、3月21日に岐阜市で開花してから北上し、4月中に県内すべてで開花しました。 これに代わって、5月にはいると若葉・青葉が茂り、1年中で最もさわやかな季節を迎えます。

 5月は別名「皐月」。その由来は、稲の早苗を植える時期「早苗月」を略したもので、耕作を始める時期にあたることから、そう呼ばれています。現在の暦では6月にあたります。私が子供の頃の今から50年ほど前は、田植えは梅雨の雨がシトシト降る中で行われていました。しかし、今では海津市の一部で4月中に、5月には県下各地で一斉に行われ、まさに5月は皐月の由来どおりの月になりました。

  5~7月は6月の夏至をピークに昼間の時間が最も長い季節です。岐阜市の5月中旬の昼間は、14時間で夏至の14時間30分とあまり差はありません。また、5月中旬の昼間の時間や太陽の高度は、8月中旬の頃と同じです。しかし、日差しは強いものの、気温は10月頃と同じです。こうした昼間の長さや日差し、気温が、私たちに1年で最もさわやかな心地よい季節を与えてくれます。

 5月5日は立夏、暦の上では夏が始まります。ちょうどこの時期には県の魚の鮎漁が解禁になります。岐阜市や関市の長良川では1300年の伝統を誇る鵜飼が開催され、半年の間夏の風物詩として市民や観光客を魅了します。長良川近くに住む私にとっては、鵜飼が始まると春も終わり、いよいよ夏の季節になります。


薄墨桜
岐阜市長良川の鵜飼 (開催期間  5/11~10/15)
*写真提供:(社)岐阜県観光連盟


 冬の寒気と初夏の暖気のぶつかり合い

 今年のゴールデンウィーク中の岐阜市の最高気温は、5月1日が16.8℃で4月初め並み、5月6日が26.4℃で6月初め並みとなりました。全国的にも北海道では積雪、宮崎県では30℃を越す真夏日を観測するなど、寒暖の差が大きくなりました。これは、冬のなごりの寒気が大陸から流入し、一時的に冬型の気圧配置になったためです。

 この時期、地上では8月中旬と同じような日射が降り注ぎ、地面が温められ気温が上昇します。そのとき上空に強い寒気が流入すると、地上と上空との温度差が大きく大気が不安定な状態になり、積乱雲が発達して雷や竜巻、雹などが発生することがあります。ゴールデンウィーク中の5月4日には上空に寒気が流入し、西日本に落雷、突風、降雹の注意を呼びかける気象情報が発表されましたが、さいわい激しい気象現象は発生しませんでした。

 昨年の5月6日には、日本上空5,500mに-21℃以下の強い寒気が流入しました。一方、低気圧に向かって東日本から東北地方の太平洋側に温かく湿った空気が流れ込みました。さらに、日射の影響で地上の気温が上昇したことから、大気の状態が非常に不安定になり、赤外画像のように発達した積乱雲が発生し、落雷や突風、降雹が観測されました。茨城県や栃木県では竜巻などにより人身や建物・農作物に大きな被害が発生しました。                      


平成24年5月6日 茨城県・栃木県で竜巻が発生したときの天気図

4月6日6時  4月8日6時 
(白く輝く画像が発達した積乱雲)
気象庁Webサイトより転載
 
  
 5月下旬には大陸からの寒気の流入も見られなくなり、初夏にふさわしい気候になります。しかし、これもつかの間、やがて梅雨の季節がやってきます。
 来月は梅雨にちなんだ話題を提供したいと思います。