冬の寒気と初夏の暖気のぶつかり合い
今年のゴールデンウィーク中の岐阜市の最高気温は、5月1日が16.8℃で4月初め並み、5月6日が26.4℃で6月初め並みとなりました。全国的にも北海道では積雪、宮崎県では30℃を越す真夏日を観測するなど、寒暖の差が大きくなりました。これは、冬のなごりの寒気が大陸から流入し、一時的に冬型の気圧配置になったためです。
この時期、地上では8月中旬と同じような日射が降り注ぎ、地面が温められ気温が上昇します。そのとき上空に強い寒気が流入すると、地上と上空との温度差が大きく大気が不安定な状態になり、積乱雲が発達して雷や竜巻、雹などが発生することがあります。ゴールデンウィーク中の5月4日には上空に寒気が流入し、西日本に落雷、突風、降雹の注意を呼びかける気象情報が発表されましたが、さいわい激しい気象現象は発生しませんでした。
昨年の5月6日には、日本上空5,500mに-21℃以下の強い寒気が流入しました。一方、低気圧に向かって東日本から東北地方の太平洋側に温かく湿った空気が流れ込みました。さらに、日射の影響で地上の気温が上昇したことから、大気の状態が非常に不安定になり、赤外画像のように発達した積乱雲が発生し、落雷や突風、降雹が観測されました。茨城県や栃木県では竜巻などにより人身や建物・農作物に大きな被害が発生しました。
平成24年5月6日 茨城県・栃木県で竜巻が発生したときの天気図
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(白く輝く画像が発達した積乱雲) |
*気象庁Webサイトより転載 |
5月下旬には大陸からの寒気の流入も見られなくなり、初夏にふさわしい気候になります。しかし、これもつかの間、やがて梅雨の季節がやってきます。
来月は梅雨にちなんだ話題を提供したいと思います。
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