11月の気温は平年並みに
10月になっても日本の南にある太平洋高気圧の勢力が強く、暖気が流入したため、気温は全国的に高くなり、特に西日本(近畿地方以西)では平年より2.0℃も高くなりました。
県内でも、岐阜で平年より1.4℃、高山では1.6℃高くなりました。特に10月2日の最低気温は、高山で10月としては過去最高になる19.7℃(8月下旬並み)、岐阜でも22.9℃(9月上旬並み)の気温を記録しました。
しかし、11月にはいり、20日までの岐阜の日平均気温は平年並み(13.6℃)の13.4℃、また9日には高山の市街地でも初雪が降るなど、季節は順調に冬へと進んでいます。
雲の種類
秋の空には、日本付近は大陸からの乾燥した移動性高気圧におおわれるため、夏の代名詞の積乱雲に代わり、真っ青なすみわたる空には、「巻雲(すじ雲)」や「巻積雲(いわし雲、うろこ雲)」が浮かびます。
気象学的には、雲は下表の十種類に分類され、雲ができる高さにより上層雲、中層雲、下層雲に分けられます。また、雲が広がる方向により層状雲、対流雲に分けられます。
雨を降らす雲は乱層雲や積乱雲、また層雲が地上に達すれば霧として扱われます。
雲を上から見ると
私たちがいつも見ている雲は下から見たものです。雲を上から見ようとすれば、一つは35,800km上空にある気象衛星ひまわりの可視画像です。
もう一つは、飛行機に乗り上空約11kmから見たものです。上の表のとおり積乱雲以外の雲は、飛行機から見下ろせることになります。
11月15日に日本海の隠岐の島付近の上空約11kmを飛行機で通過しました。その時撮影したものが下の写真です。
11月15日9時の天気図を見ると、北海道の北と関東地方の南東に二つの低気圧とそれぞれに伴う寒冷前線があり、西高東低の冬型の気圧配置になっています。
気象衛星の可視画像でも、朝鮮半島の東側には寒気の吹き出しに伴う、すじ状の雲が見られます。また、山陰地方の沖の日本海には雲が広がるものの隙間も見えます。しかし、飛行機からの写真では、遠方に上層雲の巻雲が見え、眼下にはびっしりと高積雲と思われる雲が見られます。
地上天気図(11月15日9時)
なぜ雲ができるのか?
空気中に含むことができる水蒸気量は気温により決まり、気温が高いほど多く含むことができます。例えば、30℃では1㎥に30g、15℃では13g、0℃では5gしか含むことができません。
上空は地上付近より気温が低いため、何らかの原因で上昇流が発生し、地上付近の空気が持ち上げられ上空に行くと、含むことができなくなった水蒸気が空気中に浮かぶ、ちりやほこりなどの小さな個体(エアロゾルという)の周りに凝結して水滴ができ、雲が発生します。
なお、上昇流が発生する場所は、①前線による上昇、②山岳に沿った上昇、③地面が暖められて上昇、④台風などの渦による収束による上昇などがあります。
気象庁が11月25日に発表した3か月予報(12月~2月)によると、東海地方では気温、降水量とも平年並みと予想されています。
さて、今年の冬はどんな冬になるのでしょうか?
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