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冬の到来は遅い?

10月の世界気温は最高値を更新

  11月16日に気象庁から日本と世界の10月の平均気温が発表されました。
日本の気温は、西日本・東日本では平年並みでしたが、北日本で低かったため、平年値(1981年~2010年の平均)に比べ0.1℃低くなりました。

  一方、世界の気温は、月平均気温偏差図に示すとおり、日本付近を含む西部及び南太平洋地域や欧州、南米南部を除いて高温になったため、平年値に比べ0.53℃も高くなり1891年の統計開始以来、最高気温になりました。


  日本も世界も10月の平均気温は上昇傾向が続いており、世界では長期的に100年あたり約0.64℃の割合で上昇しているとのことです。



冬の到来は遅い?

  日本では11月に入ると、移動性高気圧におおわれるとともに、大陸からの寒気の流入も少なく、気温の高い状態が続いています。
 
  岐阜の最低気温の平年値は、11月に入ると10℃を下回り、15日には8℃を下回るようになります。しかし、今年は20日までに最低気温が10℃を下回ったのは3日間のみで、18日には10月中旬並みの14.7℃を観測するなど、11月上旬の平均気温は平年に比べ1.5℃、中旬には3.2℃も高くなっています。

 
岐阜の11月上旬・中旬の気温        (単位:℃)
  平均気温 最高気温 最低気温 備 考
上旬
(11/1~10)
15.8 20.4 11.7  
(14.3)
(19.5)
(9.7)
 
中旬
(11/11~20)
15.2 19.3 12.0  
(12.0)
(16.9)
(7.7)
 
(  )平年値  

  こうした天候を気象庁は10月下旬に予想し、10月28日に異常天候早期警戒情報を発表しました。その後、11月2日、9日、12日、16日と続けて発表し、農作物の管理等への注意を喚起しました。




  16日の発表内容は、関東地方以西に対し「11月21日頃から約1週間は、気温が平年よりかなり高くなる(2.1℃以上)確率が30%以上と見込まれ、今までの1週間気温の高い状態が続いており、今後も1週目から2週目にかけて気温の高い状態が続く」とありました。
 しかし、19日には一転して「25日以降1週間は、中国地方以西ではかなり低温になる確率が高い」との情報を発表し、気温差の激しい天候に注意するよう呼びかけました。

 12月中旬までの1か月予報では、気温の高い状態が続くと予想しており、東海地方の本格的な冬の到来は遅れそうです。 

 秋も深まると、大陸からの乾いた高気圧におおわれる日が増え、空気が澄み、岐阜市内からも80km以上離れた御嶽山が見える日が多くなります。


噴煙を上げる御嶽山(美濃加茂市内 11月5日撮影)

  東京都のHPでは、都庁から富士山(距離約100km)が見えた日数を公表しています。その日数は、年間87日、月別では1月が最多の18.6日、11月は12月、2月に続いて4番目に多い10.5日で、この4か月間で68%にもなります。

 これから2月までは空気の透明度が増し、遠くの山がはっきり見えたり、夜にはきれいな星空に出会うことができます。


【一口コラム】
異常気象早期警戒情報とは

  平年との隔たりが大きな天候が続くと、社会に影響を与えます。こうした現象の発生の可能性について、気温と降雪量を対象に、できる限り早い段階で発表する情報です。

  発表日の5日後から14日後までの7日間平均値が、「かなり高い(降雪量の場合はかなり多い)」または「かなり低い」となる確率が、30%以上見込まれる場合に発表されます。