エルニーニョ現象が発生すると、西太平洋熱帯域(フィリピン付近)の海面水温は平年に比べ低下し、この地域での積乱雲の活動が不活発になります。このため、日本の西で偏西風が南に寄り、日本付近では太平洋高気圧の張り出しが弱くなって、日照時間が少なく気温が低くなる傾向があります。
このため、8月下旬から9月上旬にかけて日照時間が短く、気温が低くなったと思われます。
なお、エルニーニョ現象が冬に発生すると、気温はやや高めで日照時間はやや少ない傾向があります。また、エルニーニョ現象の反対をラニーニャ現象といいます。
台風18号愛知県に上陸、岐阜県に暴風警報
9月7日に日本の南で発生した台風18号は足早に日本に接近し、9日10時頃に中心気圧990hPa、最大風速25kmの勢力で愛知県知多半島に上陸しました。11時頃には996hPaの勢力で名古屋付近を通過し、その後岐阜付近から石川県内を通過して、21時には日本海中部で温帯低気圧に変わりました。
岐阜県内には、8日16時45分に大雨警報が、9日4時30分には暴風警報が発令され、災害への警戒態勢が敷かれました。しかし、幸いにも総降水量は大垣市で137.5mm、風速は岐阜市での5.0m/sが最大でした。特に風については注意報クラスにも該当しないものでした。
各地の気圧及び最大風速
|
名古屋 |
岐 阜 |
金 沢 |
気 圧 |
996.2 hPa |
998.9 hPa |
999.1 hPa |
最大風速 |
11.7 m/s |
5.0 m/s |
9.9 m/s |
台風が上陸前の9日6時のレーダー画像では、中心の前面には強い降水を示す赤色の箇所がありますがそれ以外には見られません。また、中心付近には降水のないエリアが200km以上もあります。
台風の目は発生初期には大きく、発達するほど小さくなり鮮明になると言われています。上陸前の6時のレーダー画像では直径200km以上の無降水域があるなど、この台風は発生後2日足らずの発達前の状態で日本に上陸したため、暴風が吹かなかったと推測されます。
天気図(9月9日6時)
レーダー画像(9月9日6時)
台風15号により風速71m/sを観測した石垣島に、1週間後の8月30日に訪れました。
現地の人からは、「激しい暴風が吹き、ホテルの窓ガラスが割れたり、車が横転して大変怖かった」との声を聞きました。しかし、島内観光の途中では、台風の爪痕はほとんど見られず、見たのは折れて倒れた電柱だけでした。
暴風により折れた電柱(石垣島 8月30日撮影)
|