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寒い12月 冬がスタート


  岐阜市では、12月の初旬からの寒さも年末にはやや和らいだものの、元旦にはまた寒気が入り5cmの降雪があり、平成27年は雪の天気で始まりました。

12月の天候 ‐寒い12月‐

  昨年の12月は日本付近をとおる偏西風が南に蛇行し、日本付近は低圧部(気圧の谷)にあたり、北からの寒気が入りやすくなりました。このため、低気圧が数日の周期で日本付近を通過し、そのあとには強い冬型の気圧配置になることが多く、強い寒気が流れ込み全国的に低温で降雪量も多くなりました。



2014 年12 月の500hPa 高度・偏差
注:等値線間隔 は実況(実線)60m、偏差(破線)30m)、陰影域は負偏差
気象庁Webサイト「12月の天候」より
 

  上の図は、500hPaの高度を表した等値線図で12月の平均を示したものです。
例えば、九州の南の500hPaの高度は5700m、朝鮮半島中部から東北地方南部にかけては5400mです。

  北緯40度より北側(北海道付近の緯度)では、日本付近はユーラシア大陸中部に比べ等値線が南に垂れ下がっており高度が低くなっています。これは、日本付近の気圧が低く(低気圧が頻繁に通過したため)、北から寒気が流れ込んでいることを表しています。特に、陰影域は、平年に比べて高度(気圧)が低く、寒気の流れ込みが強いことを示しています。

  このため、全国的に低温で日本海側を中心に降雪量が多くなり、特に北陸地方をはじめとする東日本の日本海側では平年の200%を超え、12月としては統計開始以来最も多くなりました。
  一方、県内でも低温傾向が続き、岐阜市の平均気温は平年より-1.7℃も低い5.2℃、降水量(降雪量)は平年の197%にあたる114mmになりました。高山市も同様の傾向が見られましたが、特に降水量の248.5mmは12月としての記録を更新しました。

平成26年12月の岐阜市、高山市の気候
  平均気温℃ 降水量mm 日照時間hr 降雪深さcm
岐阜市 5.2
(-1.7)
114
(197%) 
142.9
(89%)
16
(+9)
高山市 -0.1
(-1.5)
248.5
(283%)
59.6
(67%)
215
(+87)
*( )平均気温、降雪深さは平年差。降水量、日照時間は平年比。

  岐阜市の平均気温の5.2℃は12月としては過去30年間で3番目の低温でした。また、高山市の平均気温の-0.1℃は4番目の低温、降雪の深さの215cmは2番目の多さで、大変寒い12月になりました。


最深積雪の日本記録は伊吹山 11m82cm

  1月20日現在、日本で最も積雪が多いのはニュースでもよく登場する青森県の酸ケ湯の3m52cmです。

  では、日本記録はどれくらいでしょうか?
  1927年2月に滋賀県の伊吹山(標高1376 m)で11m82cmが観測されており、これが気象庁の観測所としての最高記録になっています。富士山頂の最高記録が3m38cmですから、伊吹山の積雪の多さがよくわかります。
  なお、人が生活しているところとしては、青森県酸ケ湯の5m66cmが最高記録です。

  晴れた日には、岐阜市内からも雪をかぶった美しい伊吹山が望めますが、実際の山頂の厳しさは想像もつきません。こうした厳しい中で、1919年から有人観測が行われてきましたが、残念ながら1989年に中止になりました。


岐阜市内から望む伊吹山(撮影H27.1.18)

 最近、我が家の庭でもメジロのつがいを見るようになり、またボケの花も咲き始めました。春はもうすぐ、2月にはいると立春を境に気温がだんだん上昇し始め、ウメの便りも聞くようになります。厳しい寒さもあとわずかの辛抱です。
 今年も、気象と季節のおもしろい話題をお届けしたいと思います。是非ご愛読ください。

 


【一口コラム】
積雪深と降雪の深さとは

  積雪深とは、雪が降り自然の状態での雪の深さのこと。
  降雪の深さとは、ある時間内に積もった雪の深さのこと。気象台では、毎正時に1時間前の積雪深との差を求め、1時間ごとの降雪の深さとしています。
1日など一定期間の降雪の深さは、その期間の毎時の降雪の深さを合計して求めています。