上の二つ天気図は、2月12日に房総半島沖と能登半島沖にあった二つの低気圧(ともに1006hPa)が、15日には北海道東方に進み一つになり、976hPaまで発達した時のものです。
15日には中国東北区にある1026hPaの高気圧と、北海道東方の976hPaの低気圧との間の気圧差は50hPaになり、等圧線が非常に混み合っています。このため、北海道に暴風雪警報が発令され、稚内では最大瞬間風速29.0m/sを観測しました。
なぜ低気圧(温帯低気圧)は発達するのか?
空気には気温が高くなるほど重量が軽くなり、温められると上昇する性質があります。
冬に暖房した部屋の窓を開けると、外から冷たい空気が急激に入ってきます。これは、外気の方が温度が低く重いことから下降しながら部屋に入り、部屋の中の暖気は冷気の上を上昇しながら外へ流れ出ていきます。
低気圧は、この現象と同様に南北両側の気温差をエネルギー源にして発生し、気温差が大きいほど発達します。下の図のように北からの寒気が下降しながら南下し、南からの暖気が上昇しながら北上して低気圧が発生・発達します。
低気圧発生時の断面模式図
日本列島のある中緯度付近は、南の暖気と北の寒気がせめぎあっています。このせめぎあいの中で、何かの原因でどちらかが優勢になると前線が波うち、その中心に気圧の低い所ができ、低気圧が発生して等圧線が円形になります。
春先の時期は、日本の南方では太陽放射により気温がだんだん上昇していますが、北方にはまだ強い寒気があり、この寒気が日本付近に流入すると、急激な気温差が生じて低気圧が発生します。気温差がさらに大きくなると低気圧はより発達します。
このため、春先は低気圧が多く発生し3~4日ごとに日本付近を通過し、晴天が長続きしません。通過の際には南からの暖気が入り気温は上昇、通過後には冬型の気圧配置になり寒くなります。
こうした天気を繰り返しながら、やがて春本番を迎えます。
我が家の庭にて(撮影日1月25日)
*残念ながら、つがいでの写真は撮れませんでした
岐阜市の平均気温は2月中旬過ぎには10℃をこえ、温かい日には15℃以上になり、いよいよ屋外活動に適した季節が始まります。
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