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飛騨地方山間部で初積雪


飛騨地方山間部で初積雪

  岐阜市の10月の平均気温は19.0℃と平年値18.1℃を0.9℃上回っていました。11月に入っても気温は高め傾向が続き、上旬の気温は15.7℃と平年値14.3℃を1.4℃上回っていました。

  しかし、一転11月13日以降は西高東低の冬型の気圧配置になり日本上空に寒気が入ることが予想され、11月12日にはこの秋初めて「雪に関する情報」が県内に出されました。
   11月14日には岐阜市の最低気温は12月上旬並みの4.8℃(平年値8.0℃)、高山市では1.7℃(平年値2.6℃)になり、高山市奥飛騨温泉郷平湯では初積雪を観測、いよいよ季節は秋から冬に突入していきます。




地上天気図
(11月14日3時)
西高東低の
冬型の気圧配置。
日本付近は、等圧線が混んでいる。
 


850hPa 高層天気図
(11月14日9時)
‐3℃の等温線が
東北南部~北陸~九州北部を通る。
気象庁Webサイトより

  冬になると、天気予報で「西高東低の冬型の気圧配置が強まり、上空に強い寒気が入り平野部でも雪が降るでしょう」との言葉を耳にするようになります。

  天気図には、我々がテレビなどで良く見る地上天気図と、上空の気象状態を示す高層天気図があります。高層天気図とは、ある一定の気圧に着目し同じ気圧が上空のどの高さに面として広がっているか表されています。一般的に下層から850hPa、700hPa、500hPa、300hPaが良く利用されます。

  特に、850hPaは高度1500m付近に該当するため標高の高い所の気温予想に、また500hPaは上空の気圧の谷や寒気の強さの予想に利用されます。気温は高度が100m上がる毎に0.6~0.7℃下がることから、850hPaの気温が-3℃以下は雪、500hPaで-36℃以下になると大雪といわれています。

 なお、高層天気図については機会を設けてあらためて説明したいと思います。


温帯低気圧の最低気圧の記録を更新

  今年は、11月に入っても台風が日本列島に接近し、5~6日にかけて台風20号が伊豆諸島の南を通過しました。
  この台風は、11月1日には中心気圧は910hPa、最大風速は60m/sの猛烈な台風に発達し、その後、日本の東海上を北東に進み7日には985hPaの温帯低気圧に変わりました。
  ところが、その後急速に発達しながらアリューシャン列島に進み、8日には中心気圧が920hPaになり、今までの温帯低気圧としての最低気圧930hPa(1981年12月21日)を更新しました。


地上天気図11月8日15時
気象庁Webサイトより


紅葉の見ごろは?

  落葉樹は、最低気温が8℃を下回りと色づき始め、20日ほど後には色づきが鮮やかになり、紅葉の見ごろを迎えるといわれています。
  例年、県内では10月中旬から飛騨地方の山間部から紅葉が始まり、12月初めまでには美濃地方まで紅葉が進んできます。
  岐阜市でも11月13日以降最低気温が8℃を下回り、一部の街路樹などは色づき始めています。各務原市の学びの森のイチョウ並木も色づきもうすぐ見ごろになります。


各務原市学びの森(撮影日11月17日)

  気象庁では、毎年かえで・いちょうの紅(黄)葉した日を観測しています。
また、約10年前までは関東地方のかえでの紅葉の見ごろの時期を次の予測式で求め、その数値の前後2週間が見ごろとして発表していました。

   10月1日からの通算日数=4.62×9月の平均気温-47.69

  この式をもとに今年の岐阜市の見ごろの時期を求めてみると、121日前後の2週間との結果がでました。
  まもなく見ごろを迎える岐阜市でも、この予測式が利用できそうです。

  なお、2013年の気象庁の気候レポートによると、かえでの紅葉時期は温暖化の影響により全国的には10年あたり3日遅くなっており、岐阜市では50年間で約1ヶ月遅くなっています。 


【一口コラム】
生物気象観測

  気象庁では、全国の気象台等でうめ・さくらの開花日、かえで・いちょうが紅(黄)葉した日などの植物季節観測や、うぐいす・あぶらぜみの鳴き声を初めて聞いた日、つばめ・ほたるを初めて見た日などの動物季節観測を行っています。
 観測結果は、季節の進行度合いや気候の違いなど気象状況の推移を把握するのに用いられるほか、マスコミなどにより生活情報のひとつとして利用されています。