平年より11日早い梅雨入り ~5番目の早さ~
梅雨とは、北海道を除く日本列島で晩春から夏にかけてみられる曇りや雨が多く現れる時期のことです。この時期、日本付近では太平洋高気圧の周辺をまわる南からの湿った暖気と北からの乾いた冷たい空気がぶつかり停滞前線が発生します。この前線を梅雨前線と呼び、南北に移動しながら雲を発生させ雨を降らせます。
梅雨入り前の5月22日に岐阜市で最高気温31.1℃を観測しましたが、この気温は那覇市の気温より高く、一般的には梅雨前線の北と南では温度差はあまりありません。しかし、湿度差が大きく前線付近より南側に入ると大変蒸し暑い天気が続きます。
今年の東海地方の梅雨入りの特徴は、ひとつには平年の6月8日に比べ11日早く、1951年の梅雨入りを発表するようになって以来5番目の早さです。もうひとつは梅雨入りした日の天気図には日本付近に前線が見られないことです。
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平成25年5月22日(梅雨入り前) |
平成25年5月28日(梅雨入り) |
*気象庁Webサイトより転載 |
5月22日の天気図には、沖縄付近に東西に連なる梅雨前線がありますが、本州はまだ梅雨入りしていません。多くの場合、このあと梅雨前線が日本付近まで北上し、曇りや雨が続く天候になり、梅雨入りが発表されます。
しかし、梅雨入りの発表があった5月28日の天気図には、梅雨前線が見られません。過去10年間の梅雨入りした日の天気図には、すべて前線がみられました。
梅雨入りの明確な基準はありませんが、気象庁では1週間程度の天気を予想し、曇りや雨の日が続く場合に梅雨入りを発表するようです。今回は前線が見られないものの、曇や雨の日が続くと予想したため、梅雨入りを発表しました。その後、梅雨の中休みの状態が続き「発表が早すぎたのではないか」との声も聞こえます。こうしたわけではないですが、気象庁では、9月頃に春から夏にかけての実際の天候経過を考慮して、梅雨入りの時期を見直す場合があります。
さて、気象庁発表の6月の1ヶ月予報では「平年に比べ曇り・雨が多く、降水量は平年並みもしくは多い」と予想されております。例年、梅雨末期には集中豪雨が発生しておりますが、梅雨の期間中に大雨の被害がないことを願うものです。
平年の梅雨明けは7月21日頃、7月号では真夏の天気に関する話題をお届けしたいと思います。
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