8月上旬 県内は異常気温
東海地方は、7月20日の梅雨明け以降太平洋高気圧におおわれて晴天が続き、8月1日には多治見で、この夏全国一番の最高気温の39.9℃を岐阜でも38.7℃を観測しました。
この日は、最高気温の高いほうから5位まで県内の5か所(多治見1位、八幡3位、岐阜4位、美濃加茂・美濃5位)で占めました。
岐阜では7月31日以降、最高気温は35℃以上(猛暑日)になり、8月6日の33.7℃をはさみ11日までの11日間猛暑日になりました。8月20日現在の猛暑日の日数は16日で過去15番目の記録です。なお、過去最高は2010年の33日です。
また、最低気温は7月25日以降25℃を超し、8月8日の24.7℃をはさみ12日までの17日間熱帯夜になりました。8月20日現在の熱帯夜の日数は23日です。
下の8月1日の天気図では、日本は沖縄付近を中心とする太平洋高気圧に広くおおわれ、気象衛星画像でも北海道を除き、日本付近には雲が見られず晴天になっています。なお、気象衛星画像で九州、四国、関東の一部に白いところが見られますが、これは地上が熱せられてできた発達した積乱雲です。
地上天気図(8月1日15時)
気象衛星画像(8月1日16時)
下の表は、梅雨明け以降の岐阜の気温、日照時間等ですが、8月上旬の日照時間が平年比142%と晴天が続き気温が上昇し、最高気温・最低気温とも平年を3℃前後も上回る異常高温を記録しました。
梅雨明け以降の岐阜の気温等
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降水量
(mm) |
気 温
(℃) |
日照時間
(hr) |
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最高気温 |
最低気温 |
7月下旬
(7/20~7/31) |
43.0 |
33.5 |
25.4 |
87.3 |
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54.6 |
32.7 |
25.4 |
72.8 |
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8月上旬
(8/1~8/10) |
8.0 |
37.0 |
27.1 |
98.4 |
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34.8 |
33.4 |
24.6 |
69.5 |
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8月中旬
(8/11~8/20) |
115.0 |
32.7 |
24.0 |
54.8 |
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51.7 |
33.2 |
24.6 |
64.0 |
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*上段:今年の数値 下段:平年値
赤字:平年より多い若しくは高い 青字:平年より少ない若しくは低い
台風が太平洋高気圧の勢力を強める?
ここまでの高温になった原因を報道では、ひとつは太平洋高気圧の上にチベット高気圧が張り出しため、もうひとつは、台風が太平洋高気圧の勢力を強めた結果とありますが検証してみましょう。
下の図は地球大気の循環を示した図です。
赤道付近は太陽の強い日射によって暖められた空気が上昇し、上空10km付近で南北方向に流れ出します。しかし、北緯(南緯)30度付近には偏西風が吹いているため、赤道付近から流れてきた空気がこの付近で下降し乾燥した高気圧ができます。このため、大陸には多くの砂漠があります。
なお、夏には太陽が赤道より北にあるため、高気圧は北に張り出します。
大気循環図
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